中谷美紀×井上芳雄出演舞台「黒蜥蜴」が'18年1月に上演
来年1月~2月に東京・日生劇場と大阪・梅田芸術劇場にて、舞台「黒蜥蜴」の上演が決定した。この作品は、三島由紀夫が残した最高傑作戯曲の一つと称されており、美貌の女盗賊“黒蜥蜴”と名探偵“明智小五郎”が繰り広げる耽美と闇の世界を描いた江戸川乱歩の傑作を、三島が戯曲化した究極のエンターテインメント。
これまでもさまざまなキャスト・演出家により、幾度となく上演されてきた名作だが、今回の主演“黒蜥蜴”役は中谷美紀、そして黒蜥蜴の好敵手であり運命の恋人、探偵“明智小五郎”役は井上芳雄に決定。演出は、日本でも「テレーズ・ラカン」「ナイン」「ETERNAL CHIKAMATSU」など、数多くの作品を手掛けている英国人演出家デヴィッド・ルヴォーが務める。
ルヴォーは'88年の初来日以来、日本で演出をし続けたいと願い、日本に魅了されている理由を、三島由紀夫作品と歌舞伎に出会ったことだと語る。そんな日本に魅了され続けてきたルヴォーが長年夢に描いてきた演出プランで実現する。
今回の舞台に出演するにあたり、中谷は「三島さんが巧みに描かれた文章を表現することは容易なことではないですし、とても大きな劇場で演じるということに恐れを抱き、逡巡もしたのですが、やはり心が動いてしまい、出演させていただくことを決めました。ルヴォーさんとスタッフの方々が温かく支えてくださるということと、また、井上さんという素晴らしい明智小五郎さんにもめぐり会えるようですので、自らの身を委ねてみたいと思います」とコメント。
井上は、「この作品をやりたいと感じた一番の理由はルヴォーさんの演出だということです。過去に『ルドルフ ~ザ・ラスト・キス~('12年)』での経験が素晴らしかったので、いつかまたご一緒したいという気持ちがあり、ルヴォーさんが来日するたびに顔を見せに行き、『いつかまた一緒にやりたい』と言い続けてきました。今回のタイミングでお話を頂き、是が非でもやりたいとお返事しました」と意気込みをコメントしている。
ルヴォーは「黒蜥蜴役は、まず目を見張るような絶世の美女でなければなりません。同時にある種の緊張感を持ち、何かに駆り立てられている女性で、謎めいており、この人のことを知りたいと周囲に思わせる磁力の持ち主。中谷美紀さんはそのすべての要素にかなうだけでなく、繊細な部分も併せ持っていて申し分ありません。また、明智は完全にアウトサイダーであり、ハンフリー・ボガードのようなハードボイルドですが、まっとうなモラルも併せ持っています。『ルドルフ~』でご一緒した井上芳雄さんは、他者からの共感を呼ぶことができる才能に恵まれた俳優で、クールで知性的な点でも明智にふさわしいでしょう。もう王子様役は十分でしょうから(笑)、新たなハードボイルド役に期待しています」と出演者ふたりを絶賛。
そんな強力なタッグが実現する舞台「黒蜥蜴」は、来年1月に東京・日生劇場、2月に大阪・梅田芸術劇場メインホールで上演される。どんな舞台が展開するのか、劇場に足を運んで確かめよう!
原作=江戸川乱歩/脚本=三島由紀夫/演出=デヴィッド・ルヴォー
出演=中谷美紀、井上芳雄 ほか
《公演日程・会場》
東京公演='18年1月 日生劇場
大阪公演='18年2月上旬 梅田芸術劇場メインホール