2018年に結成25周年を迎える「動物電気」が、2年ぶりにホームグラウンドの東京・下北沢駅前劇場で新作「タイム!魔法の言葉」を上演中。メインメンバーも40代半ばを迎え、“近所の面白いおじさん”たちに熟成したという、主宰の政岡泰志が劇団愛、作品について語った。
「動物電気のメンバーとはイベント出演やら誕生会やら忘年会やらで会っていました。20年以上一緒にいると愛憎を越えて変なことになるのです。メンバーは相変わらずです。辻修がパパになり人に優しくなったかな。
あと吉田麻生が先輩たちにタメ口をきくようになりましたね。今回の見どころは、全部です! ただ今回ホントにSFぽくしようと挑戦しました。あんまりやったことないので緊張します。あとメンバーの体の変化(たるんでいく傾向)も楽しんでいただければと」。
動物電気定番のバカバカしさと人間臭さの追求に、今作では初のSFテイストが盛り込まれている。
劇団員と共にテンションを上げるゲスト陣も頼もしい。野田秀樹、鴻上尚史らの舞台の他、スラリとしたプロポーションでダンサーとしても活躍中の宮下今日子、話題の劇団「月刊 根本宗子」作品への出演も多いキュートな尾崎桃子、3公演連続ヒロインを演じ、すでに常連ゲストともいえる帯金ゆかり、元「劇団鹿殺し」所属、2回目の出演を果たした小柄ながらもパワフルな坂本けこ美、強烈な個性で小劇場でもひっぱりだこの松本D輔は4回連続出演だ。
「ゲストの方たちがもう期待以上応えてくださっております。宮下今日子さんは初参加で緊張するし世界が違ったらどうしようと構えていましたが、結果全然頼りっぱなしでした。松下幸史とか完全に宮下さんの舎弟になりました。
初参加の尾崎さんは小動物みたいでかわいいです。おじさんたちに囲まれて大変だろうけど演出に意見も言うし、なかなかの小動物です。常連の帯金さんはナンバーワンキャバ嬢のようです。言い方よろしくないかな。でも、愛想のよさと適度なエロさと舞台度胸のよさに私はまいっているので毎回帯金さんに出演していただいているのです。
二回目の坂本さんは今回ママになって参加だったので絶対に大変だったはずなのですが、全くしんどさを周りに見せないところが尊敬します。お芝居への取り組みは動物電気のメンバーもむしろ見習わなければならないです。
足がやや短いのが面白い。失礼! 常連の松本君はズルいなあ。あの顔、あの声、あの体。天性の漫画俳優だと思います。客演さんなのに舞台作りを手伝ってくれたりナイスガイでもあるのです」と政岡らしい目線で語る。
ところで、動物電気といえば下北沢駅前劇場のイメージ。
「駅前劇場のお客さまとの距離の近さが動物電気のお芝居に合っているのか、長年駅前劇場でやらせていただいてお芝居が駅前劇場合わせになってしまったのか。単純に好きなのです。エレベーターからロビーへそして楽屋、舞台へ、という流れがたまらないのです。今後ともよろしくなのです」と劇場への愛着もたっぷり。
動物電気といえば…のお決まりの小林健一の名シーンも期待を裏切らない。上演は6月11日(日)まで。
期間:6月3日~11日(日)
会場:下北沢駅前劇場
料金:当日指定席4000円 当日自由席3500円
前売指定席3800円 前売自由席3300円
HP:http://www.doubutsu-denki.com/