11月4日(土)~11月19日(日)に東京・天王洲の銀河劇場を皮切りに、松雪泰子主演の舞台「この熱き私の激情~それは誰も触れることができないほど激しく燃える。あるいは、失われた七つの歌」を上演する。
本作はカナダ・ケベック州生まれの女性作家のネリー・アルカンの生涯にフォーカスした企画の一環で、ネリーにまつわる本・映画・舞台を3カ月連続で展開。9月にはネリーのデビュー作となった「ピュタン」(パルコ出版)を発売、10月には映画「ネリー・アルカン 愛と孤独の淵で」を公開、そしてこの11月にはカナダ人のマリー・ブラッサール演出でネリーの残した4編の作品をコラージュし舞台化。
公演を間近に控えた松雪にインタビューを敢行。作品の魅力や見どころ、ネリーの小説に対する印象などを聞いた。
元コールガールが生み出す言葉は、すごく美しくて強烈
本作に出演することになりネリーのことを知ったという松雪は、「(台本を)読ませていただいて、すごく詩的な言葉が並んでいる戯曲だなと思いました。彼女の言葉はすごく美しく強烈で、『なぜ、この言葉を(選んで)書いたんだろう?』というところから、興味をそそられました。それから、マリーさんとのコラボレーションも大きな魅力の一つでしたし、日本人の俳優が演じて『どういったものが生まれるのかな?』というのも興味深かったですね。ぜひ、演じてみたいなと思いました」と明かす。
高級コールガールだったネリーは自身の過去をモデルにした小説で2001年にデビューするが、2009年に自ら命を絶った。「ネリーは自分の中にあらゆる思考が氾濫して、とりとめもなくいろいろ考えが浮かんできてまとまらない場合が、よくあるんです。その場合、脳内で起きていることを鮮明に言葉として落とし込んでいて、その表現方法がすごいなと感じました。そういう意味では、全て言葉にしてしまうと残酷だなと思うことも鮮明に書いてあったりします。ただ、その中でも読んでいると『うんうん、分かる!』みたいな割とフィットしている部分もありますね。自分が望まれて生まれてきたんじゃないと考えているくだりとか、コールガールをやっていた時の時間軸の描写などは、相当に強烈でした。彼女がどういう感覚でその時間を過ごしていたかなど詳細に書かれていたので、なかなか衝撃的でした」とネリーについてコメント。
■原作:ネリー・アルカン
■翻案・演出:マリー・ブラッサール
■出演:松雪泰子、小島聖、初音映莉子、宮本裕子、芦那すみれ、奥野美和、霧矢大夢
■日程:11月4日(土) ~11月19日(日) @東京・天王洲 銀河劇場、11月23日(木・祝)@JMSアステールプラザ 大ホール、11月25日(土) ~11月26日(日) @北九州芸術劇場 中劇場、12月5日(火) ~12月6日(水) @ロームシアター京都 サウスホール、12月9日(土) ~12月10日(日) @穂の国とよはし芸術劇場PLAT主ホール
【HP】http://www.parco-play.com/web/program/gekijo2017/