宮沢りえ、演じる“ゆかり”に憧れ!「今まで演じた役の中でトップ5に入るくらい素敵」<ノースライト インタビュー>
宮沢りえ「すごく正直な方という印象です」
――西島さんと本格的に共演したのは今回で2回目とのことですが、西島さんとご一緒しての感想を教えてください。
西島さんに“落ちている男”というイメージが全くなかったんですよ。私の中での西島さんは、すごく誠実で、知的で、優しくて、カッコよく、静かで…とネガティブな要素が一つもない。なので、どのように青瀬という人物を演じるのか楽しみでした。この物語の青瀬は、葛藤や自暴自棄がないといけないわけで…。やはり暗いところがあるからこそ、ノースライトのような柔らかな光がとても貴重に見える。そんな核となるところ西島さんがどう演じるのかすごく興味ありましたし、すごく重要だと思っていたんです。
そしてお話させていただいたときに、西島さんもそこが大事とおっしゃっていて、同じことを考えていると安心しました。ただ実際に撮影に入ったら、事前に考えていたことなどすっかり忘れて、自然と夫婦が歩んできた時間を経験できたような気がしました。やはり芝居で自由になるために考えますが、始まったら素直に体と心が動くものだと改めて感じました。
――西島さんは芝居に対して同じ思いを共感できる相手なんですね。
そうですね。初めましてでも、そこまで親しいわけでもないのですが、一緒の時間を過ごしていて全く違和感のない不思議な方です。そしてすごく正直な方という印象です。たとえば、監督がこう動いてほしいとおっしゃったときに、すぐに「できますよ」とはおっしゃらないんですよ。自分の気持ちがそう動くのかを確認しながら動きを考えて答えていて…。嘘がないと感じました。西島さんとのお芝居はすごく密度の濃い時間が流れたし、行間がある脚本でしたがその間を見事に埋めることができたと思いました。
――今回は、北側からの優しい光“ノースライト”の温かさが描かれていましたが、“ノースライト”という言葉を知っていましたか?
初めて知りました。素晴らしい言葉ですよね。絵画など芸術品も北の光に照らされるのが一番美しいし、作品の寿命や生命的にも一番いいみたいです。素敵です。家というとどうしても南向きがいいという俗的な気持ちを持ってしまいがちで…。そそんな考えだった自分を少し恥じました(笑)。今回は、“ノースライト”の家での撮影もあったのですが、本当に美しい家でした。期待を裏切らない家だったのでぜひともご覧になってください。
12月12日(土)、12月19日(土)夜9:00-10:13
NHK総合ほかにて放送
原作=横山秀夫『ノースライト』
脚本=大森寿美男
音楽=稲本響
出演=西島秀俊、北村一輝、田中麗奈、伊藤淳史、林泰文 / 寺脇康文、宮沢りえほか
制作統括=佐野元彦(NHKエンタープライズ)、長谷川晴彦(ロボット)、訓覇圭(NHK)
演出=笠浦友愛(NHKエンタープライズ)