内藤剛志、刑事役演じる作品多く「警官に黙礼される」
「今の世に問う」重厚な内容
――初回から、樋口の娘が事件に巻き込まれるなど波乱の展開ですが、ドラマの見どころをお願いします。
内藤:初め台本をいただいたとき「これ(第1話)は最終回がいいんじゃないか」と申し上げました。なぜならばどこにでもいる男たちが頑張るっていうドラマなんですね。この1話は非常にエモーショナルな話で、そういうところから始めていいのかなと思ったんです。でもそういう男たちがいろんな事件に立ち向かうという意味でいえば、この話からスタートするのはいいのかな、と思っています。
1話は“正義”についての話。正義っていうのは何が正しいかって答えが出ないんですね。僕たちも一生懸命考えながらやりましたけども、「ある答え」に辿り着いているわけではなく、ご覧になっていただいて「正しいことをするってどういうことなの?」と考えるきっかけになってくれればうれしいです。
佐野:やっぱり今回は樋口家の話が本当に重厚で、とんでもないことになるので、照美ちゃんを中心として家族、刑事、そして氏家は友人としての葛藤が一番の見どころ。(心の)揺れ動きが、やっていて一番面白い。連続ドラマになって大きくフューチャーした部分だと思います。
榎木:一番は樋口班のチームワーク。我々三人が同級生ということもあって、お互い根底に気を許せる部分があり、それも芝居にでると思う。しかも原作者の今野敏さんも同い年。彼もハードボイルドタッチを得意とする作家なので、その要素が実に見事にこの作品には入っていると感じます。なので単なる刑事ものというより、複合的な要素があって、内藤剛志を中心にまとまったチームワークの良さは一つのウリになると思う。
佐野:今回は単発の時より、ディープな内容に踏み込んでいる。表面上は“正義”の話なんですが、コアな部分はこのコロナ禍でみんながいろんな意見を言い合って、何が正しいのか、本音ではどう思っているか三者三様でぶつけ合っている。「今の世に問う」内容になっていると思います。コロナ禍のモラル、司法、正義、果たしてそれが正しいのか…警察官でありながら悩む。
内藤:身近にあることって結構深いことじゃないですか?だから刑事ドラマとして楽しんでいただきながら、僕たちの思いも詰まっているドラマになっています。