主演の二人はお互いの印象を聞かれ、久保田は「紺ちゃんは、もともと“そんなに多くは語らないタイプだろうな”って思ってたんですけど、本当に思っていたままでした(笑)。話し方も優しいんです。でも、意外とトゲのあることを言ったりするので一緒にいて楽しかったです(笑)」と答えた。
一方、紺野は「紗友ちゃんは現場ではずっと“マリア”としていてくれました。本番では喋れなくなっちゃうんですけど、台本のト書きを見なくても、何を言いたいのかが表情から伝わってきたのですごくありがたかったです」と、言葉が発せない役を演じた久保田を絶賛。
それを聞いた久保田も「紺ちゃん自身、熱く語るタイプではないので、芝居のこととかを現場で話したりすることはあまりなかったんですけど、本番になると目からそれが伝わってきました。私はその視線に助けられました」と、紺野に感謝の気持ちを伝えた。
共演した筒井も「だんだんお顔が引き締まっていって、表情も変わっていって、(太鼓の)音色も変わっていきました」と撮影中での二人の成長を実感したという。
最後は、紺野が「大変な状況の中、足を運んでくださって、映画を見てくださってありがとうございました。2回、3回と見ていただければと思います」と観客に呼び掛け、久保田は「“音”にまつわる作品なので、ぜひ環境のいい場所で見ていただきたい気持ちはありますけど、このご時世で“お願いします!”と言うわけにはいかないですが…。いろいろ大変なことが続きそうですけど、この映画を見て、少しでも希望を感じていただけたり、勇気になったらうれしいです」というメッセージを伝えた。
そして、板垣が「大変な時期ですけど、その中でお客さんが来てくれて、記者の方が来てくれて、いろんな人が関わってくれて、今、この時間が最高だな!って思いました」と熱い思いをぶつけて舞台あいさつを締めくくった。
映画「藍に響け」は5月21日より新宿武蔵野館、渋谷シネクイント、池袋シネマ・ロサ他全国順次公開。
◆取材・文・撮影=田中隆信