ニューヨークでは本格的なお芝居のトレーニングを経験
――この作品に出演する前にはニューヨークに滞在し、お芝居の学校にも通われたそうですが、役への向き合い方などは変わりましたか?
演技に対する考え方などは変わったように感じます。向こうはみんな演技のメソッドを学んだり、トレーニングをしますが、僕はちゃんと受けたことがなく、自分の勘や経験則でやってきたので。
――具体的にはどんなことを学んだんですか?
頭ではなく、感覚に委ねることでしょうか。テクニックの一つにレペティションというのがあって、考えちゃダメなんです。考えてセリフを言うなと。自動発射のようにセリフを言わないといけないトレーニングもあって、最初は「何だ、それ」と思ったんですけど、これがとても大事で。アメリカではいかにセリフがオーガニックであるかが問われるんです。事前に考えてきたものや作ってきたものをとても嫌がられたので、そういうことを意識していました。
――よりお芝居をしていないように見えるということでしょうか?
そういうことですね。何もするなと言われて、その意味が最初はわからなかったんですが、だんだんわかるようになりました。それから、相手の目だけを見て、感じたことだけを言うトレーニングもありました。つまり相手に100%集中しろと。自分のなかでプランを立てて動くことと真逆の内容でした。
――そういった経験を経て、今後やってみたい役どころなどはありますか?
今回の酒野は今までやってきたのと全く毛並みの違う役でしたが、こういうヒールのような役にも挑戦していきたいです。これまではどちらかというとイメージの良い役が多かったので、人間のダメさ、弱さ、醜さを出せる役に挑戦していきたいです。
――まずは、「酒癖50」の酒野聖を楽しみにしています。
特に後半の酒野は、めちゃくちゃですよ! 僕自身のメンタルもめちゃくちゃになりましたので、ぜひご覧ください。