音楽をあきらめかけたが、作家としてチャンスを掴み、アニソンで認められた
――ライブのMCでは、「音楽を辞めようと何度も思った」とありましたが
人に裏切られたことが何度もありましたし、声帯ポリープの手術後に失声症っていう精神疾患で歌手なのに声が出なくなってしまって。なかなか自分の思うようなライブも、思うような楽曲制作もできなくて色々なことが重なって音楽をやめようと思っていた時もあったんです。
――どんな風に乗り越えたのでしょうか?
2013年くらい、まさに、音楽を辞めようかなと考えていたタイミングで知人のディレクターの方に楽曲提供してみないかと声をかけていただいたんです。その時に作った楽曲が、LiSAさんの「DOCTOR」でした。本当に、「助けてお医者さん」という私の想いを込めた楽曲だったんです。曲を採用していただいたのも驚いたのですが、その後もコンペで3曲連続で通ったりして、あれが転機だったと思います。
――「DOCTOR」LiSAさんのアルバム曲の中でも人気が高い楽曲ですよね。そこからどんな風にアニソン作家につながったのですか
もともと私自身が、LiSAさんのファンだったんです。アニメの「Angel Beats!』(劇中のガールズバンドの歌唱をLiSAが担当)が大好きで、魅力的な声の方だと思っていて。その後も楽曲提供させていただいて、LiSAさんの「ADAMAS」(TV アニメ「ソードアート・オンライン アリシゼーション』オープニングテーマ)を書かせていただいたり、「こういうロックな曲を書ける女性の作曲家がいるんだ」ってアニメの関係者の方に知っていただいたのが大きなきっかけになったと思います。
――たしかに、今年(2021年)も毎クール草野さんの楽曲がアニメのOPに採用されていましたね。大活躍の印象です
アニメのキャラクターソングや、アーティストさんのアルバム曲など変わらずずっと書き続けています。書く曲数自体が増えたこともありますが、ありがたいことに最近はオープニングの楽曲といった大役を任せていただけるようになってきました。