河童たちの掛け合いはアドリブでフリートーク!
――河童たちの掛け合いがとっても楽しかったのですが、どのように収録されたんですか?
伊達:僕ら二人だけでやりました。台本もその部分はフリーになっていたので、アドリブでしゃべりました。ストーリーはあったのですが、せりふはなくて好きに話す感じでしたね。
富澤:適当にしゃべっていたので、何をしゃべったか詳細は覚えてないです。
伊達:15分しゃべり続けるのは多少、苦でしたけど(笑)。でも楽しくできましたね。
富澤:僕ら二人が話すんじゃなくて(河童役の二人)の会話ですからね(笑)。
伊達:でも見ているうちに自分のキャラ(豊沢川の河童)に愛着が湧いてきて、自分の出ているシーンは何度も見ました。
――川面真也監督からキャラクターについてなど、何か指示されたことはありましたか?
伊達:楽しい感じでっていうのはありました。それで声色は何パターンか撮り直しましたが、そのくらいですね。
富澤:僕もそんな感じです(笑)。正解が分からないので、どうなのかなって思っていたのですが、無事に終わりました。
――声だけで表現する難しさってありますか?
伊達:僕らはかなり早い段階で収録したので、ほかの人の声が入っていない状態だったので、(物語の)雰囲気が分からなくて、そういう難しさはありました。
富澤:逆に僕らが柱となったんじゃないですかね(笑)。
伊達:それはないです(笑)。
――被災地の人々の抱いている気持、悲しみが巨大化していくという物語ですが、これまで被災者の方に寄り添ってきたお二人としては作品に込められたメッセージをどのようにと捉えましたか?
伊達:東日本大震災から10年経って、たった10年なので、不安や悲しみはまだまだあると思います。でも被災地の方もすっと見られる作品なのかなって思います。それぞれが(不安な気持ちを)持っている、ふとした時に思いだすという部分がリアルだなと思いました。
富澤:自然災害ってどこに怒りをぶつけたらいいのかっていう、もどかしさがあって。どこかにぶつけられたらまだいいのにって、そんな思いを改めて感じました。
伊達:岩手のお話ですけど、東北の沿岸地域で公開してほしいなと思います。僕も(震災を)思い出しましたし、どうしても思い出してしまうと思うんですけどね。
8月27日(金)全国ロードショー
配給:アニプレックス
(C)柏葉幸子・講談社/2021「岬のマヨイガ」製作委員会