中村勘九郎が初代中村仲蔵を演じる「忠臣蔵狂詩曲No.5 中村仲蔵 出世階段」(NHK BSプレミアム)の後編が、12月11日(土)夜9時から放送される。今作は初代中村仲蔵は江戸時代の伝説の歌舞伎俳優で、裸一貫から名題まで這い上がる、実話をベースとした下克上物語。
中村勘九郎のほかに、仲蔵の妻・お岸役で上白石萌音、四代目市川團十郎役で市村正親、二代目中村傳九郎役で高嶋政宏、初代市川染五郎役で中村七之助、ほかにも吉田鋼太郎、藤原竜也、段田安則ら豪華キャストが出演している。
前編で、大部屋の稲荷町から役者業を再スタートした仲蔵は、熾烈ないじめを受けた末に諦めかけたが、一度死んだと腹を据え、覚悟を決めて舞台に向かう。だが、今度は差別意識の強い狂言作家の金井三笑(段田)が現れ、位が上がってもせりふがもらえぬという事態に陥っていく。相変わらず、厳しい状況のなかで芝居に取り組む仲蔵について、主演の勘九郎に聞いた。
藤原竜也と久々の共演に「さすがだな」
――前編のラストで藤原竜也さん演じる謎の侍に助けられましたが、久しぶりの共演はいかがでしたか?
「大河ドラマの『新選組!』(2004年)で出会ってから、舞台も一緒にさせていただいたりしましたが、今回久しぶりだったので、どこか一杯行きたいねと言っていたのですが、コロナ禍でどこも店がやっていなかったので、終わってから少し話しました。実は竜也くんとのシーンは撮影序盤で、仲蔵という役を模索していたところだったのですが、竜也くんとのシーンで仲蔵がどういう人物か示されたなと思いました」
――後編でも藤原さん演じる謎の侍が再び登場します。
「しかも裸足で全速力して登場するんですよね。痛いんですよ、外だから。すごいですよね、俳優って(笑)。蕎麦屋で茶碗からお酒を飲むシーンがあるのですが、あれは本当になみなみ注いでいるのを本当に飲んでいるんです。それをいろんな角度から何テイクも撮るので、さすがの竜也くんもキレてました(笑)。それでもおいしそうに飲んでいるので、さすがだなと思いました」