お気に入りのキャラクターは早苗さんと尾野ちゃん
――横浜さんが思う、「あな番」という作品の魅力を教えてください。
「あな番」がミステリーだけではなく、きちんと面白い作品になっているのには、“キャラクターの濃さ”があると思います。全員何かしら葛藤を抱えているため怪しく、普通だったらギャグっぽく見えてしまうところが、なぜか不気味に見えて驚かすことができている。勝手に動機が見え隠れして、「この人が犯人かも?」とずっと考えていられるんです。二階堂に関しては怪しさはいらないと思って演じました。その部分は皆さんにお任せして。それより“なんか変なヤツ”というか、異質な感じが出ればいいなと思っていました。それが伝わっているといいのですが…。
ちなみにお気に入りのキャラクターは、早苗さん(木村多江)と尾野ちゃん(奈緒)。リアルにいたら一番ヤバい人間ツートップ(笑)。早苗さんは一見普通に見えるところが怖い。穏やかなのにスイッチが入ると一気に狂気になっていくし。尾野ちゃんは人に対する執着が異常でl行動力もあり過ぎて引くのですが、ドラマで実は人を殺していないという…。そこもまた怖いんですよ。周りにいると困ってしまう人ばかりです(笑)。
――本作では“もしも”の世界が描かれていますが、横浜さんは「あのときこうしていたら…」と思うことはありますか?
やっぱり、スカウトされてこの世界に入ったときです。小学6年生のときでしたが、そこでやろうと思わなかったら、今ここにいないので。全く違う人生を歩んでいたはず。自分の中では格闘家か、父親が大工をやっているので大工か…。そういう道に進んでいたかも。でも、この選択は良かったと思っています。最初は興味がなかったのですが、やっていくうちにつれて芝居をする面白さを感じられてきたので。
――改めて、横浜さんにとって「あな番」とはどんな作品でしたか?
オリジナルということもあり、結構むちゃ振りが多い台本で、毎回、試されてると感じていました。でもそれに対応する力を学ぶことができたと、改めて今、感じます。あれがあったから今の自分がいるというか。「あな番」は自分のことをたくさんの人に知ってもらえた作品でもあります。毎話終わるたびに連絡をもらったりして、本当にたくさんの人が見ていると実感していました。今回の映画版もぜひ多くの方に楽しんでいただきたいです。
◆取材・文=玉置晴子
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