収録日を動かしてまで実現した、中居正広の「粘り」
「笑いの正体」はオープニング以降VTRが続き、スタジオパートに戻ってきたのは番組開始から約17分後のこと。スタジオゲスト3人がVTRを受けて話を拡げるなか、中居正広はほぼ聞き役に徹していた。
収録後の会見によると、もともとスタジオパートは中居ひとりで進行する予定だったという。中居は番組制作にあたりスタッフと話し合い、スタジオゲストに参加してもらったり、VTR出演者を追加したりなど、見応えのある内容にこだわった。通常、変更されることのない収録日を動かしてまで実現したそうで、「いい意味で粘れた」と話す。
そうした背景を知ったうえで、改めて追加されたスタジオゲストを見ると、全員に「元コンビ芸人かつ現役の漫才師ではない」という共通点があり、ケンドーコバヤシ(吉本興業)、松嶋尚美(元・松竹芸能)、劇団ひとり(太田プロ)と所属事務所が異なることに気づく。さらに、松嶋尚美は全編通して唯一の女性だ。
現役プレイヤーによる「内」の証言はVTRに任せ、スタジオでは「外」からの発言に徹する。語り手のしがらみや偏りをなるべく無くし、MCは「中立」であり「視聴者目線」を保つ。そんな構造が見て取れる。
単に人を増やすだけなら「粘れた」とはならない。自分の出番を減らしてまで、内容を追求した中居正広がいたからこそ、「突然の豪華メンバー」が生まれたのではないだろうか。