“生放送”にネットや役者仲間からも賛否両論
さらに、ドラマを生放送で行うということについて勝地は、ネット上で「昔はそうだったんでしょ?」「ワンカット? 舞台と一緒じゃん」といったコメントを目にしたと明かし、「そういう声があって悔しいんですよ。舞台は、見に行った人が自分の目線でカットを割っている。今回は、編集がないという、むしろもっと高度なことをやっているので。でも、それくらい『なんでやるの?』という企画ではあるんです」と吐露。
観客との“距離”が近い、生放送のテレビ番組に憧れを持っていた勝地にとっては念願の企画だったが、役者仲間からも「面白そう」という声と、「勝地涼という役者が出たときに、損する場合ない?」などの賛否両論があったという。そんな中、勝地は「『楽しみにしてる』と連絡をくれたある先輩に『メリットが分からなくなっちゃって…』と言ったら、『メリットなんてないだろ、企画が面白いんだろ』と言われて、“ハッ…”と。そこで、最初にオファーを受けたときの感覚に戻れて、『とことんやろう!』『とことん現場でぶつかって、いろいろやっていきたい』と思えたんです」と、オファーを受けてから不安を払拭(ふっしょく)するまでを明かした。
そして、「窮屈な方へいくからこそ見える面白さがあると思っています。日頃ドラマを見ている人が、『だからカット割があるんだ』とか、『舞台をまた見てみよう』とか、そういうふうに思ってくれるんじゃないかなという気がしています」と語った。
“握手”をするために座長として嫌な言葉も
そんな勝地は、稽古では座長として「基本的に、かなりガンガンいっています(笑)」と話し、「先程、みんなの前で言ったのですが、『今回はこういうスタイルで臨みましたが、もちろん普段は違います。時間がない中でやっているので、横から口を挟ませてもらっています。それは、全てが終わったときに、“ありがとう”と握手するためなので』と。楽しいことをやるときには、嫌な言葉を言わなくてはいけなかったり、つらいことを経て、“やってよかったね”となると思っています」と、座長としての覚悟をみせた。
稽古での勝地の様子に、奥村監督は「まず、気合が入りました。勝地さんは、僕がこうしたいと言ったことを絶対否定しなくて、“ぼーっとしてたらガンガンいっちゃうぜ”だし、“やりたいことがあるならのっかるから”というスタンスだったので、気合いを入れろということが1日目ですごく伝わってきました。この2週間は楽しい日々を過ごしています」と語った。さらに、奥村監督は、勝地の影響を他の俳優たちも受けているといい、「前回の稽古から俳優同士のディスカッションも少しずつ出てきたので、そういうふうにして、いろんなものが煮詰まって、いいものになっていくんだろうなと感じています」と、本番までの仕上がりに期待を込めた。