百田夏菜子「素敵な世界が伝わるよう、知花を演じきりたい」土ドラ『僕の大好きな妻!』原作者と座談会
まだまだ発達障害に対する認知度は低いと感じています(亀山)
――ドラマ化が決まったときの感想は?
ナナト:細々と続けている私たちの連載を見つけて、ドラマ化してくださるというのがまずうれしかったですね。また発達障害という難しいテーマに取り組んでくださったことにも、うれしいと同時に驚いています。今日は、撮影の様子も拝見しましたが、夫婦二人で行っている漫画制作に対して、ドラマ撮影にはこんなにも多くの方が関わっているのかと、そこも驚きでした。
亀山:彼女は発達障害の当事者だし、僕も当事者だと思っていますが、まだまだ発達障害に対する認知度は低いと感じています。だから今回のようにドラマで取り上げていただくのは、とてもありがたいですよね。ただ、発達障害を演じるのは難しいだろうなと思ったので、百田さんがよく引き受けてくださったなと。そこに百田さんの「男気」を感じました(笑)
百田:今日お二人が現場に来られると聞いていたのですが、通りの向こうから二人で歩いてくる時の雰囲気が、まさに「知花と悟」そのものだったんです。遠くからでもお二人が醸し出す空気感が伝わってきて…。「私が演じたいのは、この雰囲気なんだ!」って思いましたね。それと、最初に漫画を読ませていただいたとき、(知花が前髪を上げるシーンに)「デコッぱちだなー」って書いてあって。私の自己紹介が「ハチハチハチハチ、デコッパチ」なので、何だかうれしくなりました。
ナナト:私も子供の頃に“デコッパチ”と言われていたんですが、最近、百田さんのファンの方がその自己紹介のことをSNSで教えてくださって、ちょっとビックリしました。
百田:嬉しいです。まさかの共通点…。
夫婦で意見が異なるときは、話し合いに半日かけることも!(ナナト)
――百田さんからお二人に聞きたいことは?
百田:どんな質問でもいいですか?じゃあ、演じる際の参考にさせていただきたいので、お互いの好きなところを。
ナナト:苦手な質問が来た…(笑)
亀山:僕から見ると、彼女は常に面白くて、一緒にいても飽きないですよね。それと、本音を言い合える関係をきちんと築けているところかな。
ナナト:踏み込みすぎない夫婦もあると思いますが、うちは私が「グレーではなく白か黒」というタイプだし、意外と彼もそのタイプ。だから意見が異なるときは、半日かけてでも徹底的に話し合いますね。
百田:えっ!?半日も!?
亀山:この話をすると皆さん驚かれるんだけど、基本は相手のことを尊重しているし、しっかり話し合ったあとは後腐れもなし。そもそも多くの場合、言葉の理解の違いや勘違いなど「認知の違い」が原因なので、とことん話し合わないと原因にたどり着かないんですよね。
百田:確かに「喧嘩をして話さない期間が二、三日続く」って話はよく聞くので、そう考えるとむしろ効率がいいのかも…。
亀山:でもそんな言い合いも、結婚当初の2年間くらいのこと。最近は喧嘩も少ないですよ。
ナナト:もう十分に言い合って、お互いにすり合わせが終わったってことなのかもしれない(笑)
百田:喧嘩が終わった後に笑い合える…。私もそんな夫婦になりたい!お二人のどんなエピソードを伺っても、結局最後はそこに行き着くんですけど…。