「バラいろダンディ」前代未聞の2030回記念放送の舞台裏、番組Pが語る「最後のテレビ」の矜持
番組を担うMCふかわ&原田の存在感
「無駄な人が…」というふかわの指摘もあったが、番組チーフプロデューサーの丹波氏に2030回記念放送当日を振り返ってもらった。「出演者・スタッフも含めて通常放送の倍以上の人員が関わることになりました。普段は超少人数・効率運営を行っている我々としては、これはなかなかの事件」とし、「駐車場の数が足りない、控室が足りない、お弁当が足りない、セットの待避場所が無い…など(“ない”ばっかりですが)、慣れない大人数での作業で朝からバタバタしていました」と大変だった様子も明かしたが、「普段の『バラいろダンディ』では表現できないような、お祭りの高揚感を感じてもらえたかなと思います」と充実感があったようだ。
番組を支えるMC陣については、「ふかわさん、原田さんとも『バラいろダンディ』をある種の生き物と捉えている節があって、番組の根幹に関わることに関して無駄に固執しないというか、我々に放任というか、良い意味で流れに身を任せて、それぞれのフォームで自然に泳いでくださっていることに、いつも本当に感謝しています。番組はこれからも変化し続けていくかもしれませんが、速くなくても良いので、長く遠くまで一緒に泳いでもらいたいです」と信頼関係を感じるコメントも。そんな中、この日の“バラダンらしい”裏話も明かした。
「バラダンらしいというかMXらしいというか、番組的に一番スレスレだったのは、当日1階ロビーで演奏してくれた生バンド(Official 薔薇男dism)の演奏が予想外に響いて、4階にあるニューススタジオにかすかに届いてしまっていたことです。報道のオンエアに迷惑をかけられないので、元々ニュースが始まる20時以降はリハーサルを組んでいなかったため、リハが絶対に押せない緊張感を(たぶん私だけですが)感じていました」。
「『最後のテレビ』の矜持を持ち続ける番組でありたい」
また、放送内でも議論されていた番組の方向性について聞いた。
「端的に言うと『ちょっと知的なトークショー』を目指していますが、将来的にはそれをベースとして、さまざまなエンターテイメント要素を加えていきたいと考えています。今の番組の良さを生かしつつ、音楽やスキット(寸劇)、各界の異能を招いたトークコーナー…などテレビがかつて扱ってきたダンディなエンターテイメントでアップデートしていくのが夢です。今回の放送には生バンドに参加してもらいましたが、それはそんな背景から実現しました」。
続けて、「放送内でデーブ・スペクターさんが『最後のテレビ』と表現していましたが、その言葉にもいろいろな示唆が詰まっていると思います。ネットメディアなど仮想敵の出現、社会的なコンプラの波などさまざまな理由でテレビ番組がどんどん平板化していっていることに、当事者として少なからず危機感を抱いています。そんな中でも、テレビはこんな人たちが出てるんだ、こんな話が聞けるんだ、こんなことができるんだ、と視聴者に可能性を感じてもらえるような、『最後のテレビ』の矜持を持ち続ける番組でありたいです」と熱い志を語ってくれた。