ヒーロー作品の“王道”展開も胸アツ
責任感が強いが、実働経験のないイジーら仲間たちに頼らず行動しようとするバズが、さまざまなピンチを乗り越えていく中で仲間たちを頼りにするようになり、信頼関係を強くしていく展開はヒーロー作品の王道。故郷に帰れなくなってしまった原因は宇宙船を不時着させた自分にあると過去の失敗を引きずっていた彼が、仲間たちの大切さを知る中で失敗を“なかったことにする”のではなく、失敗を受け入れてそこから成長していくことこそが大事だと気付いていく姿には大人の方がより胸に来るものがあるはず。
なお、日本語吹き替え版ではバズの声を鈴木亮平が担当しているが、彼の声が責任感の強い真面目男のバズにピッタリで何となく顔も鈴木に見えてくるから不思議だ。イジー役の今田美桜、ソックス役のかまいたち・山内健司の声も違和感なく楽しめるので、吹き替え版での視聴もぜひ体験してみてほしい。
もちろん「無限の彼方へ、さあ行くぞ!」の決めゼリフも
「恒星日誌」から始まるつぶやきによる現状報告、「無限の彼方へ、さあ行くぞ!」という決めゼリフ、スペース・レンジャーのスタイルでの飛行など、「トイ・ストーリー」ファンの心をくすぐるオマージュを入れつつ、しっかりとしたSF映画となっている本作。アンディ少年が夢中になってバズのフィギュアを手にして大喜びしたのも納得の内容だし、見終わった後はアンディ同様にバズのフィギュアが欲しくなってしまう人もいるに違いない。
さあ、あなたも本作でバズと一緒に「無限の彼方へ!」。
◆文=斉藤俊彦
ウォルト・ディズニー・ジャパン株式会社