勇気を出して、自分の「好き」を大切に
――それでは、そんなプリキュア世代に期待したいこととは?
成瀬:星奈ひかるちゃんは、最終回で自分の夢である宇宙飛行士になった姿を見せてくれました。シリーズそれぞれで、医者になったり、モデルになったり、夢を叶えながら世の中に出て行くタイプの女性を描いていることが近年の「プリキュア」には多い気がしていて。自立性のある、社会に羽ばたいていく女性を育むような作品作りがされている、というのかな。もしかしたら将来、「スタプリ」を観ていた女の子が宇宙飛行士になるかもしれないし、インタビューで、「夢のきっかけは『スタプリ』です!」なんて子が出てきたら、めちゃくちゃ嬉しいです。そんな未来になることを期待して私は生きています(笑)。
悠木:これだけ色々なモデルケースが揃っているんだから、そういう未来もあるかもしれないよね。もう、プリキュアはアニメのキャラクターではないんです。私たちは1年間一緒にいて彼女たちが生きていることを知っているし、子どもたちもきっと同じ思いだと思います。そんなプリキュアに憧れて育ってくれたら、もう誰を目指してくれてもいいですね。誰かを傷つけなければ、どんな人になってもいい。私が望むのは、「幸せに生きてね」ということだけです。大人はそれ以上を子どもたちに期待してはいけないと思います。子どもたちは私たちの希望だから、つい求めちゃうと思うんですよ。でも、何かをさせるのではなく、何をしたいかを大切にしてあげてほしい。真っ白な子たちが何色に染まるのか。それを楽しみに待つことが大人の役割じゃないのかなと思います。
成瀬:そうですね。私、「プリキュア」が子どもたちの具体的な夢になると嬉しいと言いましたけど、まなつが選んだ「今を大事にする」という答えも素晴らしいと思います。色んな経験をして、将来何になるんだろうって。そんな子どもたちの今も見守りたいですね。
――そのまなつを演じられたファイルーズさんはどうですか?
ファイルーズ:まなつは自分が好きなものを好きだと発信していける子だったので、それを実践してもらえるといいなと思います。私もアニメや漫画が好きと言って、それが今のお仕事に繋がっているんですよね。自分の話ばかりだと思われたらどうしようとか、あまり好き好き言いすぎるのは良くないのかなって考えちゃう子もいると思うけど、私は逆だと思います。まなつもやりたいことをはっきりと言って、それを理解してもらえたからあの素敵な仲間たちに出会え、トロピカれることができたんですよ。好きを発信するのって恥ずかしいかもしれないけど、勇気を出して、自分の好きを大切にしてほしいですね。
■取材・文/鈴木康道
撮影/友野雄
「映画デリシャスパーティ・プリキュア」
「夢みる・お子さまランチ!」
ある日突然おいしーなタウンに現れた“お子さまランチ”のテーマパーク・ドリーミア。なんでも食べ放題、遊び放題のドリーミアで楽しむ主人公の和実ゆい(キュアプレシャス)たちだが、園内ではなにか異変が…!?ごはんの力を信じて困難に立ち向かうプリキュアと、ゆいのようなヒーローになりたいと願うコメコメのあこがれの想いが大きな奇跡を起こすストーリー。
同時上映「わたしだけのお子さまランチ」
「デリシャスパーティ・プリキュア」、「トロピカル~ジュ!プリキュア」、「ヒーリングっど・プリキュア」、「スタートゥインクル☆プリキュア」の4世代が登場する夢のコラボレーションが実現。プリキュアと一緒に過ごしているような体感型作品。
公式サイト
https://2022.precure-movie.com/
公式Twitter
@precure_movie
※・はハートマーク
Marvelous Entertainment Inc.LDC(PLC)(M)
発売日: 2022/09/20