まだ間に合う!劇場版の見どころを解説
そんな七人の秘書たちが満を持してスクリーンに登場。「七人の秘書 THE MOVIE」として10月7日に公開となった。政界のドンを懲らしめた彼女たちに新たな依頼が舞い込む。次なるターゲットは信州一帯を支配する「九十九ファミリー」だ。その次男である二郎(濱田岳)と七菜は婚約するも、結婚式の最中に二郎が行方不明に。しかもその直後、火事になった二郎の牧場の焼け跡から、北アルプス市長の遺体が見つかる。
映画といえば「雪と炎」と田村直己監督が語るように、雪景色の中で建物がめらめらと燃え盛るシーンに思わず絶句した。そのスケールの大きさに並々ならぬこだわりと気合いを感じる。ドラマでも萬田久子、杉田かおる、大和田伸也といった毎回のゲストの豪華さが話題となったが、劇場版では“信州のドン”こと道山役に笑福亭鶴瓶、九十九ファミリーの養女である美都子役に吉瀬美智子、今回の依頼人であるラーメン屋の店主・緒方航一役に玉木宏が参戦。鶴瓶の悪人にも善人にも見える底なしの恐ろしさや、吉瀬の溢れ出る色気、玉木のミステリアスな魅力が存分に作品に活かされている。
九十九ファミリーはドラマの比じゃない悪事の限りを尽くしているが、秘書軍団はたとえ危険が自分の身に迫ろうとも怯むことはない。彼女たちの軽妙な掛け合いは健在で、笑いどころもしっかりと残されていた。さらにパワーアップしたアクションシーンも見ものだ。
一方、これまでと違っているのは恋愛要素がふんだんに盛り込まれているところ。 特に依頼人と請負人という間柄ながら、徐々に心を通わせていく千代と緒方の関係性から目が離せない。今まで苦労した分、千代には幸せになってほしいと願いながら、時に垣間見える緒方の闇に胸がざわざわさせられる。瑞々しくて切ない木村文乃の演技に、miletが歌う主題歌「Final Call」が寄り添っていた。
ありとあらゆるエンタメ要素が盛り込まれており、約2時間息つく間もない。常にハラハラドキドキさせられて、でも最後は彼女たちらしいラストで見事に結ばれる「七人の秘書 THE MOVIE」をお見逃しなく。また、先日放送されたスペシャルドラマとドラマシリーズはTVerにて無料配信中。こちらもあわせてチェックしてみてほしい。
■文/苫とり子