DMM.comの新動画配信サービス・DMM TVにて、オリジナルバラエティ「インシデンツ」が配信中だ。「ゴッドタン」「あちこちオードリー」などを手掛ける佐久間宣行が企画・プロデュースを手掛け、“地上波では放送できないコント番組”と打ち出されている本作。さらば青春の光の森田哲矢、東ブクロを筆頭に、ヒコロヒー、みなみかわ、ザ・マミィといった芸人に加え、俳優の伊藤健太郎、國村隼、筧美和子など、そうそうたるメンツが揃えられた新感覚のコント番組となっている。最終話となる第6話の配信を前に、佐久間、さらば青春の光、ヒコロヒー、伊藤健太郎が本作の見どころを語り尽くした。(以下、作品の一部ネタバレを含みます)
「繰り返し見ることで隠された意味がわかる」ことを意識して制作
―――佐久間さんは、なぜDMM TVでこのような刺激的な作品を手がけたのですか?
佐久間宣行:もともとはDMMさんから「DMM TVのローンチタイトルを手掛けてほしい」というご依頼をいただき、企画を10個ほど持っていったんです。その中にあった、「地上波で放送できないコント番組『インシデンツ』」という企画書を、DMMさんが選んでくれたところから、番組が動き出しました。コント+ドラマという構成に関しては、「トークサバイバー!」もそうですが、僕が個人的に様々なジャンルが融合するコンテンツが好きで。何よりも「地上波で放送できないコント番組」というフリが効いた枠組みの中で、やりたい話があったんです。そこでまずは、オークラさんと一緒に大まかな仕組みを作りました。次に、僕がもともと作っていた企画とスキームに、オークラさんが持ってきてくれた世界観を組み合わせて、一緒にプロット・シリーズ構成を立てていき、そのぐらいのタイミングで、住田(祟)監督に声を掛けました。
――”地上波では放送できない”コンテンツとして、どのようなことを意識して作られましたか?
佐久間:今ってアニメも、リアルタイムの放送よりも配信で見られることを想定して作られているじゃないですか。それと同じで、「インシデンツ」では、何度でも見られる、見た人の驚きを大事にする、繰り返し見ることで隠された意味がわかるということを意識して作りました。特に、繰り返し見てもらうことは大事にしていて。第6話まで視聴したら第1話の意味がわかるといった具合に作り込んであるから、そこは注目してほしいです。
さらばは「地上波と地下の間くらいにいる」
――座長にさらば青春の光のお2人、メインキャストにヒコロヒーさん、伊藤健太郎さんを起用した理由をお聞かせください。
佐久間:はじめに「地上波では放送できないコント番組」というコンセプトを掲げて、じゃあ、その趣旨に一番合うのは誰かと考えたときに、僕の中で地上波と地下の間くらいにいるイメージのさらばが浮かんだんです。ヒコロヒーは、構想段階からレギュラーキャストの女性芸人がいなければ成立しないコントが多かったので、声を掛けました。彼女は、僕がプロデュースしたドラマ「生きるとか死ぬとか父親とか」(テレビ東京系)に出てくれたことがあって。コントもうまいし、「M-1グランプリ」の予選でやっていたみなみかわとの漫才も個人的に好きで。さらばとの相性も良いですしね。加えて、全体の構造を考えると、俳優さんにも出演してほしかった。というのも、少しネタバレになりますが、物語の後半に芝居を担ってくれる人が必要になるんですよ。そこで、何度か舞台を見に行かせていただき、しっかりとした演技をされる印象のあった伊藤さんにお願いすることにしました。
――さらばのお2人は座長としてオファーを受けてどう思いましたか?
森田哲矢:「有難い」以外の何物でもありません。地上波で、僕らにこんな大掛かりなコント番組のオファーが来るはずないですから。
佐久間:まず、僕とオークラさんでさらばに企画の説明をしに行ったんですけど、来たのが森田だけでした(笑)。
東ブクロ:いや、僕は何にも知らされてなかったんですよ(笑)。
佐久間:(笑)。そのとき、森田に番組の狙いを全部伝えました。それと「インシデンツ」では"一座感"を出したくて、はじめましての人よりもグルーヴのある人を起用したかった。そこで森田にキャスティングの相談をしたら、「みなみかわさんを入れてください」とだけ言われましたね。
森田:みなみかわという男を引っ張り上げるタイミングはここしかないかなと(笑)。みなみかわさんは「ゴッドタン」(テレビ東京系)でブレイクしていますし、佐久間さんならキャスティングしてくれるだろうと踏んだんです。
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