「加藤の個性をどう色づけしていくかは、本当に苦労しました」
ーー天才と呼ばれるディレクター・加藤という人物を演じきれたという実感はありましたか。
加藤の個性をどう色づけしていくかは、本当に苦労しました。出演が決まってから「全裸監督」や、マーティン・スコセッシ監督の作品を見直したりしたのですが、どうあがいても山田孝之さんの真似は絶対できないなって気づいたんです。山田さんがやられていることって本当にすごいんですよ。
でも、あれをしよう、これをしようって足し算方式でやりたいことをどんどん足していくと、個性がぐちゃぐちゃになってきて…。もっと人物の核をつかまなきゃと思って、自分が演じるモデルになった人の写真を飾ってそれを毎日見続けたり、監督とディスカッションを重ねたりしました。
足し算的な個性は衣装を着たり、監督の演出や共演者の動きに順応していく瞬発力を大事にしましたね。例えば、衣装がすごく派手なので、この派手な服を着ている人物が違和感なくその場に立っていられるには、どういう佇まいが正解なんだろうと考えたり。現場で集中して、人との関わり方や、目に見えたものへの反応の仕方、その一つ一つに個性を乗せていって、結果的に加藤を生み出していきました。
俳優としてのキャリア10周年を迎える現在は「『これをやりたい』と『受け止める』の間にいたい」
ーー大東さんは“破滅的な演技がしたい”とおっしゃっていたとのことですが、藤原さんは今後どんな演技をしていきたいですか。
俳優を続けて10年になるのですが、自分はこういう演技がしたい、こういう役がやりたいって望みすぎると、その場所にたどり着けないような気がしてきたんです。自分自身の欲望だけだとどうしても息切れしてしまう。だから、自分に与えられる役や役割を受け入れて全うすることも意識して、「これをやりたい」と「受け止める」の間にいたいと思っています。
2022年は、他者が見てくれる自分を大事にしたり、他者がくれたアドバイスを真剣に聞いたりと、そういうことに初めてチャレンジしてきた1年でした。2023年はその結果が出てくる年だと思います。受け入れ続けた結果、どこにたどり着くのか、自分自身でも見てみたいですね。
自分の今の目標は落ち着くことです(笑)。小さい頃からいつも100%の感度で物事を捉えて、全部に反応してたので、今は落ち着いて自分に与えられた仕事をして、結果的にその先にたどり着ければいいなと思います。
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