そして今回はティーチインイベントということで客席から質問を募集し、回答していくことに。「何かやらかしてしまったこと」という質問では、阿部が「NGみたいなのを何回も出してしまうというか、“言えないセリフ”が出てくるんですよね。先輩の役者さんに聞くと、“生理的に言いたくないセリフ”は、かむんですって。『てにをは』が違うとか、自分が気持ち的に言いたくないとかむらしいので。言いたくないセリフってあるんでしょうね…」としみじみ。
すると、佐藤は「でも、サダヲさん居酒屋のシーンで、言いづらそうにされていて、ご自身で『てにをは』を変えられて…言ったセリフをめちゃくちゃかんでましたよね」とまさかのツッコミが。阿部は「そうそうそう。自分にも納得いってなかったんだろうね。気持ちが入らないときがあるんでしょう」と若干恥ずかしそうに分析していた。
一方、佐藤も似たような話で「僕も『ありがとうございます』ってセリフが全く言えなくなっちゃって。最初に言えなかった時、『ありがとう』というセリフがシンプル過ぎて、それをかんでいる自分がめちゃくちゃ恥ずかしくて、緊張しちゃったんですよ。普段ちゃんと言ってないんでしょうね。『ありがっす』みたいに言っちゃっているから。これを機会にちゃんと『ありがとうございます』って伝えようと思いました」と、気を引き締めていた。
「シャイロックの子供たち」とは
同作は累計発行部数60万部を突破した池井戸潤による同名小説が原作。池井戸が「僕の小説の書き方を決定づけた記念碑的な一冊」と明言する、原点にして最高峰とも言える作品であり。東京第一銀行の小さな支店で起きた現金紛失事件をきっかけに、お客様係の西木(阿部)が、同じ支店の愛理(上戸彩)や田端(玉森裕太)と共に、メガバンクにはびこる闇に迫る。映画は小説と展開が異なり、独自のキャラクターが登場する完全オリジナルストーリーだ。
◆取材・文・撮影=ブルータス・シーダ(STABLENT LLC)
KADOKAWA / 角川書店