悠依を懸命に守ろうとする直木
その後、物語は急加速でミステリー部分が進んだ。
自殺のように見えるかたちで車の中で亡くなっていた希也(永島敬三)と意識不明の莉桜(香里奈)が発見され、車内には直木の殺害に使われたと推定される凶器もあった。
だが、直木は少女たちを犯罪に巻き込んでいると思われる千代(神野三鈴)が事件に関わっているはずだと考え、譲も「捜査は続けます」と言った。
そんななか、悠依が英介(荒川良々)に誘われ、直木が殺された場所でもある里親だった勝(春風亭昇太)の家へ。回想シーンと譲の捜査で、英介と希也がつながっていることが明らかにもなるなか、譲は悠依と連絡を取り、英介が直木を殺した可能性があるため、自分たちが行くまで気付かれないようにと助言した。
そのとき英介がグミを食べる姿を見て、かつて莉桜たちと出かけた遊園地の帰りに見た男だと思い出した悠依。身をこわばらせながらも、譲との電話はつないだままで、英介と会話を続けた。
緊迫感が漂うなか、悠依はとっさに「直木?来てくれたの?」と言った。すると譲の電話を通して、直木が口笛を。口笛のことを知る英介は焦りを見せた。
悠依が暴漢に襲われたときに守れなかったことに落ち込んでいた直木だが、“口笛”で悠依の危機を救えるかもしれない展開は胸に迫るものがあった。
弥生は、うわさ話として、誰かの体をもらって生き返った人がいると言っていたが、その誰かの人生を奪うことになってしまうことにもなる。ただ、これほどに思い合う悠依と直木には、本当に奇跡が起きて欲しいと願いたくなる。クライマックスに向けて、感情を揺さぶられる展開が続く。
◆文=ザテレビジョンドラマ部