八神は10年前の蓮の悲惨な状況を話す
八神は大きく息を付いて、良いこと教えてやるという。そして、10年前に蓮が転入してきたときのことを話した。フランス語がまったくわからない子どもを留学させる親がいることにみなが驚いたといい、「それがどういうことかわかるか」と和真に問う。「あいつの親は罰として我が子を言葉もわからない外国に捨てたんだ」と八神がいい、和真は目を見開く。
10年前に和真が搬送されたあと、蓮が全部自分のせいにして和真と肉体関係を持ったことを大人たちに話したことも八神は告げる。「たった15のガキがだぞ。それがどんなに恐ろしいことかわかるか」と八神に言われ、言葉をなくす和真。
八神はさらに「あいつは全部受け入れた。家族も友人も全部失ったんだ。ただ、お前を守るために」と続ける。和真は蓮を思って涙を流す。
「本当に何も知らなかったのか?都合よく見ないふりしてたんじゃないのか」と和真を責める八神。蓮は今どこに居ますかと和真に尋ねられ、「会社で荷物をまとめてるはずだ」と答えてやる。和真が立ち上がると「あとひとつ教えてやる」と八神は言って、蓮とは“寝ようとしてもできなかった”と明かす。行為に及ぼうとすると、過呼吸の発作がでるからだという。「あいつが誰かと繋がれることがあるなら、それはあいつの心に決めたやつだけだと思ってた」という八神の言葉を聞いて、和真は蓮のもとへと駆け出していくのだった。
真相を知った和真の胸の内を思うと切なくて辛くなる。そして、食えない男かと思われた八神が実は懐が深くて思いやりがあることが伝わってくる。本ドラマにおいて八神が一番、男前なのではと思えてついついハートをつかまれてしまった。
※高松アロハの「高」は、正しくは「はしご高」
◆構成・文=牧島史佳