池波正太郎が生み出した時代劇ダークヒーローの金字塔「必殺仕掛人」いまなお色あせない劇場版がBS松竹東急で無料放送
作家・池波正太郎の「剣客商売」「鬼平犯科帳」と並ぶ時代小説「仕掛人・藤枝梅安」をもとにしたテレビドラマ「必殺仕事人」。BS松竹東急(全国無料放送・BS260ch)では池波の生誕100周年を記念して、2023年9月23日(土)夜9時から劇場版シリーズ第3作「必殺仕掛人 春雪仕掛針」をオンエア。藤枝梅安役は緒形拳、さらに林与一、岩下志麻、山村聰らが出演する。
池波正太郎の代名詞となった時代小説
池波による原作「仕掛人・藤枝梅安」の舞台は江戸。診療所で貴賎の別なく治療を施す鍼医者・藤枝梅安には、金で殺しを請け負う仕掛人としての裏の顔がある。依頼を受けると同志たちとともに、表稼業の道具でもある鍼を武器に標的を暗殺していく…というあらすじだ。
池波は1972年から1990年にかけて全20篇の小説を上梓。池波が逝去したことにより、未完の「梅安冬時雨」が最終作となった。
その人気はテレビドラマ・劇場版制作に留まらず、2001年から故さいとう・たかをが、2016年からは武村勇治がコミカライズ。2022年から2023年にかけて、同じく武村によるスピンオフ作品「仕掛人 めし噺 ~藤枝梅安歳食記~」が発表された。
時代が移り変わっても制作され続けたテレビドラマ版&劇場版
テレビドラマ「必殺仕掛人」の舞台も、原作と同じく江戸。当時のテレビ時代劇は勧善懲悪ものがセオリーだったが、主人公の梅安を中心とする“仕掛人”チームは報酬と引き換えに“裁かれざる悪”を暗殺するアンチヒーロー。斬新で痛快な設定と、殺陣の大立ち回りといった派手な演出と相反した、宵闇に乗じて標的を冷淡に仕留める描写が反響を呼んだ。
1972年から断続的に放送されたテレビドラマ版と公開された劇場版で梅安役を演じたのは、緒形拳、田宮二郎、小林桂樹、萬屋錦之介、渡辺謙、岸谷五朗、豊川悦司といった豪華な顔ぶれ。演じ手によって浮かび上がる梅安像はさまざまだが、その世界観やテーマは一貫している。表ではいかなる患者にも優しく接するが、裏では自身の表家業の道具である鍼のみを暗殺に使用するというストイックさだ。
なかでも未だ語り種となっているのは、テレビドラマシリーズで梅安を演じた故・緒形拳。患者には気さくに接し、女に目がなく、しかし暗殺の際には目的遂行の熱情を目の中でギラつかせる…。色気と殺気が迸った梅安は、今でも鮮烈な輝きを放つ。後の「必殺仕事人」シリーズにまで連綿と紡がれる、今なお愛される痛快時代劇の礎を築いた初代だった。
BS松竹東急は“魂ゆさぶる映画の時間”をコンセプトにした「土曜ゴールデンシアター」で、毎月名作や話題の映画を放送。9月からの3カ月は「生誕100年 池波正太郎」特集を放送しており、9月23日(土)夜9時からは「仕掛人」の劇場版シリーズ第3作である「必殺仕掛人 春雪仕掛針」が放送される。
■「必殺仕掛人 春雪仕掛針」あらすじ
正月の雪降る夜、漆器問屋一家が惨殺された。事件の手引をしたのは半年前に後妻に入ったお千代によるもので、実はお千代は江戸を騒がす盗賊団の首領であった。ことの真相を知るお千代の育て親・小兵衛は、お千代を立ち直らせようと彼女の子分たちの暗殺を仕掛人・音羽屋半右衛門に依頼する。
梅安は小杉十五郎と子分たちの暗殺を進めるなか、子分の一人である勝四郎の情婦となっていたお千代が、昔捨てた女であることに気づく。ある日、お千代が勝四郎の殺害を依頼するため梅安を訪ねて来た。しかし、これはお千代と勝四郎が梅安に仕掛けた巧妙な罠だった…。
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発売日: 2013/01/29
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