努力を惜しまないのは“最高のエンタメを届けたいから”
――山田さん自身が、この映画を見終わって感じたことはなんですか?
生きるのって難しいよね、というのは感じました。あと、死ぬってなんだろうみたいな、生についても考えました。しがみつきながら生きている人もいれば、のらりくらり生きている人もいる。そこの差を僕はこの映画を見てすごく感じました。
映画はエンタメなので、人それぞれの受け取り方があるし、どのキャラクターに自分をリンクさせるかで見え方もすごく変わると思います。なので、それぞれの受け取り方があっていいと思うし、みなさんには単純に楽しんで見てもらえたらうれしいです。
――原田監督から、試写が終わったあとにかけられた言葉はありましたか?
「ジョーよかったっしょ」って言われました(笑)。 でもそれぐらいですかね。本当にあまり話さないんですよ。なので、原田監督のことは、雑誌の読者の方と同じぐらいの情報しか知らないです。「原田監督、こういう風に思ってくれていたんだ」みたいなのは雑誌を見て知ります(笑)。いつも密かに喜んでいますね。
――多くの作品に出演されている山田さんは、少なからずプレッシャーや不安を感じる場面もあると思います。山田さんなりのプレッシャーや不安の乗り越え方を教えてください。
作品に出ることにプレッシャーを感じることはあまりないです。でも「燃えよ剣」だけは、とてつもないプレッシャーでした。 歴代、数々の方が演じてきたキャラクターであり、実在した方なので、イメージがついちゃってるじゃないですか。すごく人気の高いキャラクターですし、そこに対してはすごいプレッシャーを感じていました。
だから、誰も文句を言えないぐらいの練習をしました。これ以上できないよね、というくらい自分の限界まで練習をしたので、これでなにか言われたらただの実力不足だから、もうしょうがないと腹をくくろうと。
プレッシャーとの戦い方は、自分が納得できるぐらい練習することじゃないですかね。僕は、どの現場にも剣持っていって、ライブ中にも剣を振っていました。家に帰っても2、3時間ずっと素振りしていましたし…。常に剣と共に生きているくらいの準備をして、それでもダメならもう仕方ない、才能がないだけだから諦めるしかないと思います。でもプレッシャーに打ち勝つには、自分に自信をつけるしかないので努力をすることです。あまり自分で努力していますとは言いたくないですが、それしか方法はないなと思います。
――どんなに辛くても、自分の限界までやり抜く姿勢はとても大切ですね。
それが僕の仕事でもありますので。お金を払って見に来てくださる人に対して、自分がどこかで妥協をするのは、あまりにも失礼なことだと思うんです。自分が限界ですって思うぐらい取り組んだもので、自分が納得できる状態で勝負したい。
もちろん、それでもダメなときはあるかもしれないし、そのときは、その事実をちゃんと受け止めなきゃいけないと思います。でも、評価されたときは練習して良かったなと思えるじゃないですか。結果はどうであれ、そこまでのプロセスは大事にしていきたいです。本当に最高のエンタメを届けたいという思いでやっています。
■取材・文/WEBザテレビジョン編集部
2023年9月29日(金)全国公開
配給:東映/ソニー・ピクチャーズエンタテインメント