俳優の竹野内豊が20日、都内で行われた映画「唄う六人の女」(10月27日[金]公開)の完成披露上映会に、共演の水川あさみ、アオイヤマダ、服部樹咲、桃果、武田玲奈、メガホンをとった石橋義正監督とともに登壇した。
竹野内と山田孝之がダブル主演を務める本作。車の事故で、ある美しい村に迷い込んだ萱島森一郎(竹野内)と宇和島凌(山田)が、村に住む美しくも奇妙な六人の女たちに翻弄されていくサスペンススリラー。
念願の石橋義正監督作品に出演「本当に光栄」
ステージ登壇直後の冒頭のあいさつで竹野内は「この映画のオファーを受けたときから今日まで数年かかっています。一時は(公開が)できないんじゃないかなって不安もよぎったんですけど、なんとか今日、満席でこれだけの方々に迎えていただいて本当にうれしく思います」と感無量な様子で会場を見渡し、石橋監督の作品に出演することを切望していたそうで、オファーが来た際の心境を聞かれると「まさかと思って本当に光栄でしたね」とにっこり。
また、竹野内は別の作品のプロデューサーから山田主演の『ミロクローゼ』を勧められて見たことを明かし「本当に独創的で石橋監督しか作れないのではないかなと思うくらいの世界観で、言葉では言えないような世界観でした」と回顧し、今回の脚本を読んだ際も活字だけでは描写感を捉えることができなかったそうで「0号試写のときに見終えた女優陣の方々が“こういうつながり方をするんだ”って言っていたと小耳に挟んだんですけど…」と辺りを見渡すと、水川が「私が…」と答え、これに竹野内が「だろうな」と言葉をこぼすと、水川は「ちょっと待ってください(笑)。誤解を生みます」と笑いつつ、「取材のときに、『想像していたものと違う世界観で驚きでした』って」と説明。改めて、竹野内は「やっと石橋監督とご一緒できてすごく嬉しかったですし、今日この日を迎えることができて奇跡だなと思いますね」と目を輝かせた。
竹野内豊、ネタバレしかけて慌てる「あっ、言っちゃいけないんだ」
さらに、二人目の女“濡れる女”を演じたアオイは水中でのシーンが多いそうで、竹野内も水中シーンがあることが話題に上ると、竹野内は「彼女(アオイ)に比べたら、私はただ沈んでいくだけ…あっ、言っちゃいけないんだ」とネタバレを気にして言葉を止めて会場の笑いを誘い、アオイが水中から上がれなくなってしまった際、竹野内に引っ張り上げてもらい助けてもらったことを明かすと、竹野内は「あれはすごかったですね。編集されてあの時間ですが、実際はご自身が思っている以上に限界を超えて集中して演技されていたと思うんですよね」とアオイを称えた。
そして、本作のPRコメントを求められた竹野内は「本作は人間社会だけじゃなくて生命に目を向けようとしている作品です。それと同時に生物としての人間の姿をさまざまな視点て監督が映し出されていると思っています。ここにいる6人の女たちが住む日本の儚い森の美しさとか、彼女たちがそこに存在する意味を通して、みなさんに石橋監督がこの作品に込めた、伝えたかったことを少しでも感じていただけたらと思います」と熱く語った。
◆取材・文=風間直人
東宝
発売日: 2023/08/16