俳優の山田孝之が11月16日、都内でおこなわれた長編アニメーション映画「屋根裏のラジャー」(12月15日公開)のジャパンプレミアに、主演の寺田心、共演の鈴木梨央、安藤サクラ、仲里依紗、イッセー尾形、メガホンをとった百瀬義行監督、プロデューサーの西村義明氏とともに出席した。
現実と想像が交錯する超大作「屋根裏のラジャー」
同作はイギリスの詩人・作家のA.Fハロルドによる感動作「The Imaginary」が原作。想像から生まれた誰にも見えない少年・ラジャーを主人公に、イマジナリーフレンドたちによる現実と想像が交錯する世界で繰り広げられる大冒険を、スタジオポノックの圧倒的なアニメーションで描いた超大作。
寺田が演じる主人公・ラジャーの前に現れる怪しげな猫のジンザン役を演じる山田は、本作の感想を求められると「これからみなさんに映画を見ていただきますが、ジンザンって物語の中ですごく重要なところで出てくるんですよ。そこで1mmとも僕の顔がチラついてほしくないので、邪魔にならないようにいたしますね」と言って手で顔を隠し、改めて「本当に面白かったです」と評した。
「後ろにいたマネージャーと一緒に見ていたんですけど、『面白かったね』って言いました。今まで25年やってきていろんな作品に携わっている中で、そう言えない作品ももちろんあるので、立ち上がってすぐ『面白かった』っていうのはなかなかない…とは言わないまでも、本当に感動しました」と続け、さらに「泣かないようにしようと冷静に見て、この映画をお伝えしないといけないなと思って分析していたんですけど泣きましたね」と鑑賞中に涙をこぼしたことを打ち明けた。
猫が好きすぎて「オファーが来ると迷えない」
また自身が演じたジンザンの魅力を尋ねられると「落ち着いていて、頼り甲斐があるキャラですね」と答え、「登場は何者かわからずラジャーを導いていくんですけど、『行け!』とか『来い!』とか背中を押しすぎないようにしたいなと思って演じていました」と明かし、「あくまで何を言われても、“最後は自分で判断して一歩踏み出さないことには何も始まらないんだぞ”ということが伝わればいいなと思って演じていました」と言葉に力を込めた。
さらに、MCから「猫の役が多いですね」と声をかけられると「よく知ってくれていますね」と笑顔を見せ、「猫の王子様と、猫のスナックのママと、夜回りしている猫と、今回で4回目の猫です」と説明。加えて「猫でオファーが来ると迷えないんですよ。『やります』ってなっちゃう。好きなんですよ、猫が」と目尻を下げ、「なんだったらアニメーションじゃなくて、僕も猫に寄せていって、最終的には猫役がちゃんとできたらいいなと思います。猫になりたいですね」と吐露した。
◆取材・文=風間直人