松本潤主演の大河ドラマ「どうする家康」(毎週日曜夜8:00-8:45ほか、NHK総合ほか)。11月26日放送の第45回「二人のプリンス」では、徳川と豊臣の対立が色濃くなっていく様子が描かれた。苦悩する家康のもとを訪ねてきたのは、今川宗誾こと氏真(溝端淳平)。氏真が家康にかけたあたたかい言葉と包み込むようなほほ笑みに、視聴者からも感動の声が上がった。(以下、第45回のネタバレがあります)
氏真、再登場「あの頃を知っておるのは…」
誰もが知る戦国武将・徳川家康の人生を、一人の弱き若者の成長物語として描いてきた「どうする家康」。第45回では、力を増していく豊臣の存在を憂慮した家康が秀頼(作間龍斗)を二条城に呼び、会見。だが、知恵者・秀頼のふるまいによって逆に厳しい立場に立たされてしまう――という展開が描かれた。
“戦のない世を作りたい”という家康の思いとは裏腹に、豊臣との対立は激化の一途。ぜんまい仕掛けの時計を手に物思いにふける家康のもとに、「子供の頃から、そういうことが好きであったな」と氏真が現れた。その姿を見て家康も「あの頃のわしを知っておるのは、いまやあなただけじゃ」と表情をゆるませた。
家康の本音、受け止める氏真
今川義元(野村萬斎)のもと、兄弟のように育った家康と氏真。氏真が掛川城に籠城した際には家康と対決したが、最後には「そなたはまだ降りるな。そこで、まだまだ苦しめ」と穏やかに言い残し、城を明け渡して妻の実家・北条家に落ちのびたのだった(第12回)。今は家康の庇護のもと妻と歌を詠み、悠々自適な暮らしを送っているという。
「奥方と歌を詠む日々か。うらやましい限りじゃ」とつぶやいた家康。その姿に、かつて掛川城で氏真に「いつか私も、あなた様のように生きとうございます」と言った若き日の、まだ弱さを残した“あの頃”の家康の姿が重なる。