小津安二郎監督作品5タイトル、BS松竹東急にて5夜連続放送 「宗方姉妹」「小早川家の秋」など昔の名作が蘇る
BS松竹東急(全国無料放送・BS260ch)では、小津安二郎監督の生誕120年を記念して、12月12日(火)より5夜連続で「日本の名匠シリーズ 生誕120年 小津安二郎特集」をお届け。平日夜8時からの「よる8銀座シネマ」と土曜夜9時からの「土曜ゴールデンシアター」にて、「晩春 4Kデジタル修復版」「宗方姉妹」「麥秋 4Kデジタル修復版」「東京暮色 4Kデジタル修復版」「小早川家の秋」の5作品を放送する。
輝かしい賞を受賞した「晩春」&「宗方姉妹」
12月12日(火)夜8時からは、笠智衆、原節子共演で父と娘の絆を描いた「晩春 4Kデジタル修正版」を放送。紀子三部作の最初の作品となる本作は、「1949年度 キネマ旬報ベスト・テン第1位」に輝き、「1949年 第4回 毎日映画コンクール」では日本映画大賞、監督賞、脚本賞などを受賞した。
早くに妻に先立たれ娘の紀子と鎌倉で2人暮らしをしている大学教授の周吉は、未だに嫁ごうとしない娘・紀子のことを心配している。縁談を勧める周吉の妹・まさが話を持ち込んでも、紀子はやもめ暮らしの父を気遣って受け入れようとしない。周吉はそんな紀子に自分が再婚を考えていることを告げる…。
また12月13日(水)夜8時からは、「宗方姉妹」を放送。古風な姉とそんな姉に反発する妹を対比させながら変わりゆく家族の姿が描かれる本作は、出演者の山村聡が「1950年 第5回 毎日映画コンクール」で助演賞を、「1950年 第1回 ブルーリボン賞」で主演男優賞をそれぞれ受賞した。
日本の古い因習に縛られて古風に生きる姉・節子。死期を悟りつつも失業中の夫を抱え銀座でバーを営む節子を案じて京都で療養生活を送る父・忠親。姉とは対照的に自由に生きる勝ち気な妹・満里子。姉妹の確執を通して多彩で複雑な人間関係と変わりゆく家庭の姿が描かれる。
京都を舞台に描いた晩年の秀作「小早川家の秋」
12月14日(木)夜8時からは、結婚話をめぐる家族らの心情を細部まで綴った小津監督珠玉の名編「麥秋 4Kデジタル修復版」を放送する。本作は「1951年度 キネマ旬報ベスト・テン第1位」を獲得し、さらに「1951年 第2回ブルーリボン賞」にて監督賞、主演女優賞、助演女優賞も受賞。
北鎌倉に住む植物学者の間宮周吉一家。息子・康一は医師として東京の病院に勤め、娘・紀子は丸の内の貿易会社で専務の秘書をしている。独身生活を楽しみながらも適齢期を過ぎた紀子のもとに、周吉の兄・茂吉から縁談話が入ってくる。縁談話も進むなか、康一の同僚の医師・矢部の再婚相手を探している母親・たみから息子の嫁に欲しかったと告げられる…。
さらに12月15日(金)夜8時からは、心に傷を抱えた一家の悲劇を痛切なタッチで描いた小津監督の異色作「東京暮色 4Kデジタル修復版」を放送。
妻が自分の部下と駆け落ちして以来、2人の娘を育ててきた杉山周吉。今は定年をすぎても監査役として銀行に勤務し、次女の明子と雑司が谷で2人で暮らしている。長女・孝子はしっかり者だったが、不幸な結婚に苦しんだ末、子供を連れて周吉のもとに帰ってきた。次女の明子も年下の大学生に騙され妊娠してしまう。ある日、周吉の妹・重子は、兄と子供を捨てた喜久子を街で見かける。明子もまた自分の母とは知らずに喜久子と出会うのだった――。
そして12月16日(土)夜9時からは、関西の造り酒屋を舞台に大家族を描く「小早川家の秋」を放送。小津組お馴染みのキャストに加え、二代目中村鴈治郎らが出演している。
京都・伏見で造り酒屋を営む小早川万兵衛一家。万兵衛の長男は早く亡くなり、未亡人となった秋子を再婚させようと親戚たちから再婚話が持ち込まれる。しかし秋子はなかなか承諾しない。次女の紀子もお見合いをしたが、思いを断ち切れない男性がいる。一方、妻に先立たれた万兵衛も、昔なじみの妾のもとへ再び通い始める…。
エー・アール・シー株式会社