イザナがエマを殺した理由とは?
それから時が経ち、少年院での服役を終えたイザナは真一郎に会いに行った。真一郎が作った黒龍を自分に継がせてほしいと頼むイザナ。真一郎は「いつかお前にって思ってたんだ」と言葉を返す。けれど、イザナは真一郎の次の言葉に耳を疑う。真一郎が語るのは、マイキーと共に兄弟で黒龍を繋いでいってほしいという夢。それは、真一郎が自分だけのお兄ちゃんだと思っていたイザナには耐え難いことだった。
さらには、マイキーの部下である一虎(CV:土岐隼一)によって殺されてしまった真一郎。どんどんとイザナの中でマイキーに対する恨みは膨らんでいく。そして、ついにはマイキーを空っぽの状態にして、今度こそ自分だけのお兄ちゃん(真一郎)にするという歪んだ願いを抱くようになった。
そんなことのために、マイキーは最愛の妹の命を奪われてしまったのである。到底納得できるはずはないが、イザナは誰かに理解してほしいと思ってはいないのかもしれない。鶴蝶(CV:山下誠一郎)は「孤独がイザナの強さ」だと言う。12歳の頃にイザナは集団に襲われ、重傷を負ったが、回復した後に一人残らず再起不能にした。
そのうちリーダーを自殺に追い込むほど、他人に極端に興味のないイザナにはリミッターというものが存在しない。イザナは少年院で出会った5人と天竺を作ったが、彼らを仲間だという意識もなかった。「信頼や友情なんて実のない幻想だ」と語りながら、マイキーの蹴りでボロボロになった手足で戦い続けるイザナは痛々しくも見える。そんなイザナにマイキーは「オマエにはまだ弟(オレ)がいて オレには兄(オマエ)がいる」と声をかけるのだった。
イザナは本当に“孤独”だったのか
幼い頃、真一郎に「もう一人兄がいたらどう思う?」と聞かれ、「きっと好きになる」と返したマイキー。その兄であるイザナは自身の敵となり、妹のエマの命まで奪っていった。けれど、マイキーにとっては今や唯一の兄弟であることには変わりない。
「オレはオマエを救いたいんだ」というマイキーの言葉に、イザナは明らかに動揺していた。ついには真一郎やエマの幻覚が見えるまで追い詰められ、己の心を乱すマイキーに負けたくない一心で稀咲(CV:森久保祥太郎)の銃を取る。それでもなお、怯むことのないマイキーに向けて発砲しようとした瞬間、イザナを止めたのは児童養護施設で共に育った鶴蝶だ。
両親を事故で失い、後を追うつもりだった鶴蝶。そんな時に出会ったイザナは「死んだ奴の事なんて忘れろ」と鶴蝶に言い放ち、これからは自分の下僕として生きるように命令した。側から見れば横暴だが、イザナは鶴蝶にとって生きる理由を与えてくれた相手。“ヒーロー”に他ならない。だからこそ、鶴蝶はイザナが間違った道に進もうともその後ろをついてきたが、これ以上情けない姿を見たくないと止めに入ったのである。
イザナは自分で自分のことを孤独だと決めつけていたが、鶴蝶のように心から慕ってくれる仲間がいた。そのことに気づけなかったイザナの目の前で、鶴蝶は稀咲に銃で撃たれる。頂上対決の結果、東卍の勝利で決着がつきそうだった関東事変が再び稀咲の行動で混沌の渦に巻き込まれた第48話に、視聴者から「マイキーくんだって真一郎くんもエマも失って辛いのにイザナの事も孤独にしないつもりなの泣く」「イザナ、育ってきた環境が影響して歪んだ性格が修正できずにきちゃったんだろうけど…哀しい」「鶴蝶撃たれたけど右肩だから大丈夫だよね…?」「イザナは東京リベンジャーズの中でも結構ぶっ飛んでるキャラだなって思うけど段違いで稀咲がぶっ飛んでるなと改めて思った」という声が挙がった。
※島崎信長の崎は正しくは「たつさき」
■文/苫とり子
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