「メアリと魔女の花」や「屋根裏のラジャー」など、アニメーション映画作品を次々と世に送り出すスタジオポノック。“これからの世界に生きる子どもたち、かつて子どもだった全ての大人たちが、心から楽しめるアニメーション映画”を掲げ、スタジオジブリ出身の西村義明氏が立ち上げたアニメーション映画制作会社だ。本記事では、2023年12月より公開中の映画「屋根裏のラジャー」の見どころなどを中心に、スタジオポノックの魅力についても触れていく。
“手描き”にこだわるアニメーション映画制作会社「スタジオポノック」
「ポノック」とはクロアチア語で“深夜0時”を意味し、“新しい1日の始まり”という意味が込められている。一人ひとりに物語を贈り届けるスタジオを目指しつつ世界の美しさを描いており、クリエイター自身が手描きで織りなすアニメーション作品は世界中の人たちを虜にしている。
スタジオポノック最初の長編アニメーション映画「メアリと魔女の花」が2017年に日本で公開されると、その人気は世界に広がり、155カ国もの国と地域で上映された。好奇心旺盛な少女が7年に1度しか咲かない不思議な花を見つけ、魔女の力を使い魔法の大学に入学するというストーリーは、人々に多くの“ワクワク”を与えた。
その後2018年に短編レーベル「ポノック短編劇場」を立ち上げると、3本のアンソロジーフィルム「ちいさな英雄-カニとタマゴと透明人間-」を発表。“現代の小さな英雄”をテーマに描かれる3つのオムニバス作品で、愛と感動に溢れた内容になっている。
こうして話題作を次々と世に送り出すスタジオポノックは、「メアリと魔女の花」以来約6年ぶりとなる長編アニメーション映画「屋根裏のラジャー」を2023年12月に公開した。
イマジナリの町で成長を遂げる少年を描く「屋根裏のラジャー」
映画「屋根裏のラジャー」に登場する主人公・ラジャーは、愛をなくした少女・アマンダが生み出した想像の友だち“イマジナリ”で、2人は屋根裏部屋で想像の世界に飛び込み楽しい日々を過ごしていた。
そんな中、ラジャーは人間に忘れられると消えてしまう“イマジナリとしての運命”に戸惑いながら、一縷(いちる)の望みを抱き、人間に忘れられてしまった“イマジナリたちが生きる町”にたどり着く。そしてイマジナリの町でエミリら仲間と出会い、ラジャーは大切な人を救う冒険に出る――という物語が描かれる。
寂しがり屋のラジャーが、仲間たちと試練を乗り越えたり、“自分がなぜ生まれたのか”を知ることで成長していく本作は、世代を問わず多くの人々に感動をもたらした。
ネット上でも「ラジャーの成長に思わず涙」「子供向けかと思ったけど、大人が見ても刺さる」などの声が上がっており、中でもアマンダの母親・リジーに焦点が当たるシーンは、“家族への想い”が描かれ、胸に迫るものがある。
そんな本作の主人公・ラジャー役の声を担当するのは、今回アニメーション映画初挑戦となる寺田心。ちょうど声変わりの渦中と重なったため、アフレコではなく、台詞を先行して収録する“プレスコ”という手法が採用されたそうだ。ネット上では、寺田について「心くんの声が魅力的過ぎた」「ラジャーと一緒に成長してるのが伝わってくる」と好評のコメントが寄せられていた。
その他にも、ラジャーを生み出したアマンダ役を鈴木梨央が、アマンダの母・リジー役を安藤サクラが、またラジャーがイマジナリの町で出会う少女・エミリ役を仲里依紗が務めている。さらに山田孝之や高畑淳子、寺尾聰、イッセー尾形なども出演しており、そうそうたる顔ぶれが脇を固めている。
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