西島秀俊についての印象は「マエストロ役が本当にぴったり」
――西島秀俊さんとの共演はいかがですか?
宮沢:西島さんとは今作が二度目の共演なのですが、前作では共演シーンがほとんどなく、今作のようにガッツリやらせていただくのは初めてです。マエストロ役が本当にぴったりですね。西島さんからにじみ出ている優しさと真面目さなどがリンクしており、普段の西島さんの魅力が役にも反映されているのではないかと思います。
西島さんが指揮をされているところを見ると、演奏している僕も楽しくなってきて、自然と僕たちから音を引き出してくれる感覚があります。本当にご自身も楽しんでいるからこそ、僕たちにもその思いが伝わってくるのではないかと思います。
――宮沢さんは、同僚・響役の芦田愛菜さんとのシーンも多いと思いますが、芦田さんとの共演はいかがですか?
宮沢:芦田さんとの共演は今作が初めてです。僕と年齢が10個違うのですが、すごく堂々とされていて、大人の魅力も持っていらっしゃって、安心感があります。芦田さんがすごくしっかりされているので、僕はそれに乗っかっていくだけです。
役としても大輝は響に叱られたり、いろいろなことを指示されたりということがあるので、純粋に僕は芦田さんについていっています。響からツッコまれることが多いのですが、そのツッコミもうれしくて(笑)。僕も楽しんでいるのですが、見てくださる皆さんにも楽しんでいただければと思います。
――楽器の演奏についてはいかがですか?
宮沢:僕はトランペットを担当しています。トロンボーンを学生の頃に吹いていたので、金管楽器に関して経験はあるのですが、全く別物です。経験がある方はご存知かと思いますが、トロンボーンは口にくわえる鉄の部分が大きいんです。唇全体が覆われる感じで、そこに空気を通して振動を与えることによって音が鳴るのですが、大きいから空気が漏れることがないんです。
それに対して、トランペットのマウスピースは、なんでこんなに小さいのかというくらい小さくて(笑)。まずそこに空気を通すことがとても大変で、音は出るけど高音が出せなかったり、逆に低音が出せなかったり。いろいろな課題があったのですが、クランクインする2カ月半前ぐらいから先生と一緒に練習をして、なんとかクランクインに間に合ったという感じでした。
大輝というキャラクターを考えたときに、ただ演奏しているだけではなく、そこにキャラクターが乗っかって、楽しそうに吹いていなければ駄目だと思っているので、うまく演奏しようという考えは一度捨てて、大輝らしく、一生懸命楽しく吹いている姿が皆さまに伝わればいいなと思っております。
佐藤:演奏シーンはキャストをはじめ、東京音楽大学の方やエキストラの皆さんとひとつになって撮影ができていて、いつも楽しいです。
最初はチェロを弾くことにワクワクしていたのですが、チューニングがベースとは違っていたり、弾くときの指がとても難しかったりと、チェロの練習は大変でした。チェロの先生にも、「チェロはごまかせないから」と言われました(笑)。
なので最初から真剣に取り組んでいましたし、普段音楽活動をしていることもあって、しっかり弾かないと…という気持ちもありました。ですが現在は、弾くことだけでなく、演奏するときの姿勢や息づかいもきちんとしようという考えに変化していっています。
一度、東京音楽大学の授業を見に行かせていただいたのですが、「自分の人生が楽しくないと思いながら演奏をすると顔に出るよ」と仰っているのを聞き、練習しているときは本当に大変でも、自分自身が楽しみながら、音楽の素晴らしさを伝えられたらいいなと思いました。
――演奏シーン以外にもここを見てほしいというポイントがあれば教えてください。
宮沢:見ていただきたいところはたくさんあるのですが、自分が出ているシーンでいうと、玉山さん演じる古谷さんとの絡みが個人的に結構好きです(笑)。
大輝と古谷さんは一緒のシーンが多いのですが、玉山さんがボケてくるといいますか、ちょっとコメディーに振ったお芝居をすることがあるので、そこに乗っていくのがすごく面白くて。
あまり言ってしまうとネタバレになってしまうので具体的には言えないのですが、ぜひ古谷さんと大輝のシーンを楽しみに見ていただければと思います。
――タイトルの「アパッシオナート(=情熱的)」にかけて、ついつい熱くなってしまうものを教えてください。
宮沢:子供の頃から野球少年だったので、球場に行くとアパッシオナートします。大きい声を出して応援するし、盛り上がってきたら立ち上がって応援団の皆さんと一緒に声を出します。球場にいる時間、野球を見ている時間はかなりテンションが上がります。
――最後に、見どころと視聴者へのメッセージをお願いします。
宮沢:このドラマは、家族の愛情であったり、友達同士の愛情であったり、自分のことをどれだけ大事にし、自分を愛することができるかであったりと、いろいろな形の愛情について考えるきっかけを与えてくれる作品だと思いますので、皆さまにもぜひそういった部分を感じていただければと思います。
また、そこに音楽が乗っかってくると、余計なことを考えなくても、すごく素直に自分と向き合うことができるかと思います。難しいことは考えずに、フラットな状態でぜひこのドラマをお楽しみください。
佐藤:見どころはやはり、皆でひとつになって演奏をしているオーケストラのシーンです。皆でオーケストラのシーンの撮影をするとテンションが上がるので、その雰囲気が視聴者の皆さまにも伝わればいいなと思っています。