元乃木坂46の高山一実が、2月25日に開催された新作絵本「がっぴちゃん」の発売記念イベントに登場。囲み取材に応じ、2月21日に発売を迎えた感想や、30歳になっての心境の変化などについて語った。
高山が絵本の下書きと文章を担当
同作は高山がシリーズ作品として構想を温め、下書きと文章を担当。絵はもともと高山がInstagramをチェックしていた「みるく」というクリエーターにオファーし、このほど1冊の絵本として完成した。タイトルの「がっぴちゃん」とは、主人公の恐竜の男の子だ。
乃木坂46在籍中に執筆し、2018年11月に刊行したデビュー小説「トラペジウム」が「平成世代が買った本1位」(日販WIN+調べ※集計期間は2018年11月25日~2019年5月25日)に輝き、累計30万部突破。5月10日(金)からは同作のアニメーション映画が劇場公開されることも決定するなど、作家としても注目される高山が、映像化作業と並行して手掛けてきたのが絵本だ。
発売を迎えた感想を、高山は「30歳になった節目に出させていただいたんですけど、20代は自分のことで精いっぱいで、30歳になるにあたって自分のことよりも『がっぴちゃん』というキャラクターを考える日々が楽しいなと思ったので、このキャラクターがたくさんの方に愛していただけるように、これから頑張っていきたいなと思いますし、まずは一生懸命絵本作りを頑張ったので、たくさんの人に読んでいただけたらなと思います」と吐露。
昔から絵本が好きだったという高山だが、自身の“絵心”のほうは「これじゃ売り物にならない(笑)」と思うレベルだったとか。
それでも絵本を描こうと思ったきっかけは、三重・桑名で食べたハマグリが関係しているそうで、「ある時、ハマグリを食べてハマグリに感謝を伝えたいと強く思ってしまって。『こんなにおいしいハマグリになってくれてありがとう』と。そこから物語が浮かんでしまったんですよね。それで勝手に描いて、絵本になったりしないよなあ…と淡い期待を抱いていたら、たくさんの方に助けていただいて絵本になりました」と、絵本を出版した経緯を明かす。
また、今後のシリーズ化についても「この本ではまだまだ収まりきれないほどのストーリーが浮かんできているので、形にできたらいいなとは思っています」と意欲を示しつつ、本作が映像化され、“国民的アニメ”になる可能性もあるのではないかと煽られると「とんでもないことですけど、描かなかったらそういう未来は0です。でも描いたことで0.001%でもある未来ってすてきだよな、というのは感じています」とあくまでも謙虚に、今後も絵本を描き続けたいという思いを伝えた。
30代になって「豆大福がおいしく感じた」
そんな高山は2月8日に30歳を迎えたが、何か変化があったかを聞かれると「ささいなことで申し訳ないんですけど、この間初めて豆大福を食べた時、(以前はそれほど好きではなかった)豆大福がすごくおいしく感じて。30歳になったのかって思いました(笑)。あと、ちょうど先週30歳の同窓会を地元でやったんですけど、その時の会話がみんな大人で、30歳になったんだなと思いました」と、食の好みや会話の内容で年齢を実感したそう。
ちなみに体力的な衰えなどは全く変化を感じないといい、「体を張る仕事とかもまだやりたいなって思います(笑)。体は元気です!」と作家業などのクリエイティブな活動だけでなく、バラエティーのロケなど体を張った仕事にも前向きな姿勢を見せた。
その流れで、どんな30代にしていきたいかを聞かれると「将来の夢、今後の夢を考える時に自分自身がどうしたいかを考えると、結構満足した過去が浮かんで来ちゃうんです。なので自分ではない何か、キャラクターとか作品とか、『高山一実が何かをする』というのだとヒキがあんまりないと思うので、私のファンじゃない人が見ても『これすてきだな』って思ってもらえるような物を作っていく30代にしたい」と展望。
そして小説、絵本に続く今後の創作活動について「この1年は絵本で頑張ってみたいというのが目標です。それでうまくいかなかったらまた別の活字以外のことも考えてみようかなと。20代の頃は失敗が怖かったんですけど、30歳になってそれがなくなったかもしれないです。この1年は絵本にフォーカスをあてて頑張っていきたいなと思います」と力強く意気込んだ。
◆取材・文・撮影=月島勝利(STABLENT LLC)