売れないミュージシャンからアイドルオタクまで
ここまで近年のドラマ出演作品を中心に振り返ってみたが、彼は映画でもその存在感を見せつけている。魚喃キリコの原作を実写化した映画「南瓜とマヨネーズ」(2017年)では、臼田あさ美演じるツチダの恋人で、売れないミュージシャンのせいいちを自然体な姿で演じている。また、役所広司主演の映画「すばらしき世界」(2020年)では、若手テレビマンの津乃田として出演。仲野が憧れているという、ベテラン俳優の役所を相手に引けを取らない、存在感のある演技で作品に爪痕を残した。
仲野の泣き顔がポスターカットにもなっている映画「生きちゃった」(2021年)では、妻の浮気現場を目撃したことで、日常が崩壊していく男・厚久を熱演。さらに、同年に公開された映画「あの頃。」では、藤本美貴を推すオタクでひねくれ者のコズミンを好演するなど、映画界でも仲野の存在は不可欠だ。
ここ数年で多くの作品に出演し、名実共に日本を代表とする実力派俳優として成長し続けている仲野。若い頃から芝居と真摯に向き合い、努力してきたからこそ、今オファーが絶えない結果となっているのだろう。才能に努力が加われば、それこそまさに“虎に翼”。彼が出演すると分かると、自然と作品への期待値が上がると言っても過言ではない。今後どんな表現を見せてくれるのか、楽しみに待ちたい。
◆文=suzuki
https://www.disneyplus.com/ja-jp/series/a-town-without-seasons/
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