医療シーンは「今回の方が難しく感じました」
――スペシャルドラマでは、連ドラから一年後が舞台ということで、しこちゃん先生が先輩になりますが、その内容をご覧になった時の感想はいかがでしたか。
PICUではすごくツラいことがたくさん起こりますが、そのツラさにとらわれすぎるのではなく、笑える部分は笑えるし、すごく生活を感じる台本だったのでそこは変わらず好きだなと思いました。しこちゃん先生に関しては、ちょっとかわいそうでダサいところがすごく愛くるしいと思いながら台本を読みました。連ドラの第1話の時は、言われたことを何もできずに、ただうろうろしているだけだったのが、今回はしこちゃん先生が指示を出す側だし、相当成長していると思います。
――研修医役で登場した小林さんや武田さんはどのような印象ですか。
連ドラからの流れがあっての今作なので、多分僕だったら「ちょっと気まずいな」って思うかもしれないんですけど、それでもフラットに現場になじんでいて、すごく頼もしいなと思いました。僕は虎之介くんとのお芝居が結構多かったのですが、ストイックにお芝居と向き合っている感じがすてきでした。
――しこちゃん先生を演じるにあたり意識していることや、前作と今作で変化をつけようと思ったことなどはありますか。
連ドラでしこちゃん先生を演じた時に、自分に近い部分や共感できる部分がたくさんあったので、あえて作り込むよりも、僕が思った感情をそのまま使った方がリアルでいいんじゃないかなと思いました。なので、今回もお芝居を作るというよりは、役として会話をしている中で感じたものがにじみ出てくれればいいなという感覚でいます。専門用語や技術的な部分の勉強はしましたけど、一年経って成長している役柄ですが、何かを変えようと特別意識したことはなかったです。
――専門用語や医療シーンの難しさは、前作を経て変化はありましたか。
前回より今回の方が難しく感じました。しこちゃん先生が成長している分、ほぼ一人で手術を回しているシーンがあり、一人で喋っているところは大変でした。会話の中で出てくるたくさんの医療用語を、普段使っている言葉として言わなきゃいけないっていう難しさは今回もありました。僕の台本の覚え方は、前日に何回か読んで、何となく入ったら現場に入るという感じなんですけど、手術シーンの医療用語がいっぱいある場合は、何となくじゃダメなので完璧に言えるようになってから現場に入っています。
吉沢にとっての本作は「帰る場所のような作品になってくれればうれしい」
――子役の皆さんとはどのようなコミュニケーションを取っていますか。
他の共演者の方々と同じような感じで「出身はどこですか？」とか「学校で何が流行っているんですか？」みたいな話をしました。話し掛ける時もありましたけど、子役の子たちは泣き芝居が多くて集中していないといけない時間も長かったので、そういう時はあまり話しかけないようにしていました。
――「PICU」のキャラクターで、自分のそばにいてほしいキャラクターは？
(高杉真宙演じる）悠太です。彼はいいやつですよね。それに、男女の幼なじみで仲良しな関係で大人になっているのには憧れがあります。きれいな形のまま友情を保てているのは相当レアなことだと思いますし、悠太たちの関係には憧れますね。
――新たにエピソードを重ねて、「PICU」は吉沢さんにとってどういう作品になりそうですか。
スタッフもキャストもすごくすてきな方ばかりですし、僕にとって帰る場所のような作品になってくれればうれしいなと思います。
――最後に、放送を楽しみにしている視聴者の方へのメッセージをお願いします。
このスペシャルドラマの中にたくさんの見所がありますが、しこちゃん先生が先輩になって後輩とどう接するのか、そこの葛藤も楽しんでください。そして、この作品の根本にある温かみは何も変わってないので、連ドラを見てくださっていた方々にも、確実に楽しんでいただけるような内容になっていると思います。是非お楽しみに！
◆取材・文＝水沢あすみ
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