半助が“街”で会った個性的な人たち
池松演じる“半助”こと田中新助がやってきた仮設住宅の住人は個性的でクセの強い人たちばかり。という半助も、いろいろと謎の多い人物である。12年前の災害で家族を失っているが、仮設住宅にやってきたのは、“そこで暮らす人たちの様子を報告するだけでお金がもらえる”という、いかにも怪しい仕事を請け負ってのこと。掲げられた町のシンボルである大漁旗を見上げた時、何か思いがよぎったように感じたが、その思いはまだわからない。
仲野太賀が演じるタツヤは社交的な性格らしく、半助の家にズカズカと入ってきたり、“青年部”に勧誘したり、半助に対して興味津々。渡辺大知が演じるオカベはリカーショップで働いていて、温和な性格。仮設住宅の住人ではないが、“街”で暮らすかつ子(三浦透子)に気があり、頻繁に出入りしている。“青年部”のメンバーでもある。
そして第1話で、ケガした女の子を助けたことで誘拐犯と疑われた濱田岳演じる六ちゃんも重要人物の一人。「どですかでん」と叫びながら、毎日“街”の中を見えない電車を運転して走っている。
仮設住宅に住む“街”の人たちは、普段は六ちゃんのことが見えてないように振る舞っているが、警察が来た時は全員が六ちゃんの味方になり、ウソのアリバイを語ったりして、“街”の人たちの結束力が垣間見えた。
「ふてほど」「あまちゃん」同様、災害・震災が物語に絡んでくる
第1話はまさに序章といった感じで、半助がやってきた“街”とそこの人たちのことを教えてくれる内容になっていた。
物語の行方も気になるところだが、宮藤官九郎が“災害”を絡めた作品で何を描こうとしているのかも気になる。
「ふてほど」と呼ばれ、好評だった「不適切にもほどがある!」で1995年の阪神淡路大震災を描き、NHKの連続テレビ小説「あまちゃん」では東日本大震災を作品中に描いてきた。今回も“ナニ”と呼ばれる震災の12年後の仮設住宅が舞台ということで、災害、震災の記憶も出てくると予想できる。
半助が“街”の人たちを観察するのと同じような感覚で、このドラマの展開を追ってみたくなってきた。
◆文=ザテレビジョンドラマ部
https://www.disneyplus.com/ja-jp/series/a-town-without-seasons/
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