リアクションはいつでも新鮮なものにしようと心掛けていました
――監督から指導されたことや印象的なやりとりがあれば教えてください。
あるシーンで、やりたいことが頭にあったのですが、僕はうまく表現できなかったんです。そんな僕の姿を見た監督が、僕のやりたいことをくみ取ってくれて、「こうしたらいいんじゃない?」という言葉を掛けてくれました。
監督ご自身でも描かれている演出プランがあると思うのですが、それを俳優に押し付けることをしません。僕と同じ目線に立ってくれて、僕がどういう感情を持って、どう演じたいと考えているのか、それを表現するためにどうしたらいいのかなどを、一緒に考えてくださるんです。そんな監督がそばにいてくれることがすごく頼もしいですし、ありがたいです。
――脚本家の坪田文さんは、エモーショナルな部分を繊細に描き出すことで有名だと思うのですが、そういった部分を演じる上で意識したことや心掛けていることは?
特別にそういったシーンだからと、意識したことはないのです。でも、強いていうのであれば、相手のお芝居をしっかりと受け、そのお芝居に対して最善を返すということを大切にしていました。
撮影というのは、同じシーンを何回も繰り返します。なので、同じシーンを撮影すると、相手のお芝居に慣れてきてしまうんです。
それは仕方がないことではあるのかもしれません。でも、僕自身、リアクションはいつでも新鮮なものにしようと心掛けていました。そういう積み重ねが、物語に深みが増し、より良いものになっていればいいなと思います。
現時点での僕の集大成が、「君とゆきて咲く~新選組青春録~」には詰まっています
――年齢以上の落ち着きと、どんどん出てくる豊富な知識に「人生何回目なの?」と思ってしまいました(笑)。
ありがとうございます(笑)。「仮面ライダーリバイス」以降、いろいろな作品に出させていただき、たくさんの方と出会えたことで、さまざまな知識や俳優とはこうあるべきだということを学ばせていただきました。そういった経験が、今の僕を作ってくれたのだと思います。
そして、現時点での僕の集大成が、「君とゆきて咲く~新選組青春録~」には詰まっています。新選組を好きな方はもちろん、それ以外のどなたでも楽しめる作品になるように、日々、全力で撮影を頑張っています。ぜひ、最後まで見ていただきたいです。
――最後に、奥さんのお気に入りのシーンを教えてください。
殺陣のシーンです。第1話の冒頭で登場するシーンは見応えがあると思います。丘十郎と大作(前田)の掛け合いもそうですし、これまで何があり、どうしてこうなったのかという物語の大事な部分でもあり、エモーショナルが凝縮されているシーンにもなっているので、楽しんでいただけたらうれしいです!
インタビュー・文=八神真子
撮影=山内洋枝
KADOKAWA
発売日: 2024/03/27