最後の陳述で語ったジョンスクの想いとは…
“証人になる決意をした理由”を聞かれたヨンウンは「母を愛しているからです」と話し、“僕を愛しているなら罪を認めてほしい”と涙を流して訴える。これを受けても黙秘を続けるジョンスクを前に、ヨンジュはジヌが脳死する前日の病室内の映像を流した。
そこには、ジョンスクが意識のないジヌに対して、「(ドナーとして)ヨンウンを助けて」と語りかける様子が。ヨンジュが映像を一旦停止して“罪を認めるか”と聞くと、ジョンスクは小さく「はい」と答える。しかしヨンジュが戻ろうとすると、ジョンスクは映像を最後まで流すよう頼む。するとそこにはジョンスクがジヌに付けられた酸素供給のスイッチをゆっくりと切る姿が映し出されるのだった…。
実はヨンウンは、第13話で手に入れた映像データを一度は捨てようとしていた。しかしジョンチョルに「罪悪感を持つ必要はない」と背中を押され、ヨンウンはデータを信頼するジンソン(ナ・イヌ)に手渡したのだ。“弟を殺され、その心臓を移植されたヨンウン”を前に、ジンソンは、「憎む理由はたくさんあるのに、ヨンウン検事を憎めない」と悲しい笑顔を浮かべる――。
これにより決定的な証拠を掴んだ検察側は、ジョンスクとウノに最高刑である死刑を求刑。最後に陳述を求められたジョンスクは立ち上がり、やっと口を開く。ジョンスクはギヨンとの時間は偽りではなく本物だったとしたが、あくまで目的はヨンウンを救うことだった。「息子を助けられるなら誤った道でも進むだろう」と話し、最後に「息子を助けたことは後悔していません」と告げる。裁判の結果、2人は無期懲役に課された――。
それから1年後。事務所を立ち上げたヨンウンは、ジョンスクのいる刑務所へ何通も手紙を送っていたものの、面会を拒否され続け、いまだ関係の修復は困難を極めていた。マリーはジヌの命日にウジンを訪れており、来年の命日をフランスで過ごしたいとヨンヒを誘う。
一方、ジンソンとヨンジュは相変わらず友達のような関係だが、その様子は以前よりも親しくなっている様子だった。壮絶な事件の後、それぞれがそれぞれの日常を送るのだった。
登場人物それぞれの“家族愛”がぶつかり合う
全14話にわたる「ずっとあなたを待っていました」が最終回を迎えた。ジョンスクとウノは無期懲役となり服役、ギヨンとミンギュも刑務所の中で楽しそうに脱獄計画を立てていた。ジンソンとヨンジュは最後まで友人のようなやりとりだったが、ジンソンがヨンジュをおぶりながら「コ・ヨンジュ、絶対に離さないぞ、永遠に!」と叫んでいたことから、ジンソンの長年の想いがヨンジュにも届いたのかもしれない。
そして、ジョンスクのいる刑務所の近くに事務所を構えたヨンウンは何度も手紙を送り、面会に訪れるが、ジョンスクは面会を拒否。手紙も封を切ってもいないようだった。やはり自分の犯した罪に向き合い、再度誇りをもって“ヨンウンの母だ”と言えるには程遠いようだ…。
“家族の愛”をテーマに物語が展開していった本作。ジンソンとジヌの兄弟愛はもちろん、育ての親としてのヨンヒのジヌへの愛、ジヌの実母・マリーのジヌへの愛、そして異常ともいえるジョンスクのヨンウンへの愛…。さまざまな愛の形が錯そうし、それぞれの想いがぶつかり合う本作は、改めて“自分自身の家族との向き合い方”を考えるきっかけになるかもしれない。
◆文=ザテレビジョンドラマ部
TCエンタテインメント
発売日: 2022/07/05
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