日本と台湾を舞台に紡ぐラブストーリー映画「青春18×2 君へと続く道」が5月3日(金)から全国公開する。本作は日本と台湾の壮大な美しい風景と、18年前と現在という時代を色鮮やかに映し出すエモーショナルな物語。脚本・監督を務めた藤井道人と主人公のジミー(シュー・グァンハン)が旅先で出会う旅人・幸次を演じた道枝駿佑がクロストークで撮影現場を振り返ってくれた。
藤井道人、道枝駿佑はドラマ「母になる」から気になる存在
――道枝さんは日本×台湾という藤井監督の初の国際プロジェクトに参加が決まった時のご心境、藤井監督は道枝さんに今作でオファーをした理由からお願いします。
道枝:藤井監督は僕にずっとラブコールを送ってくださっていたんです。海外に向けた作品に出演したかったので、今回のオファーをいただいて、すごくうれしかったですし、本当に光栄でした。演じた幸次は、僕の数倍明るいキャラクターなので、思い切り弾けないと…っていうプレッシャーはありましたけど、楽しくやらせていただきました。
藤井:道枝くんは、「母になる」(2017年)から気になる存在で。若手の中で芝居が上手い俳優が誰かという話になると、絶対にみっちーの名前が出てきますから、一緒に映画を作ってみたいなと思っていたんです。
本作の幸次というキャラクターは、明るくて、ワンコみたいなクシャッとした笑顔の持ち主。正しい日本語も使えないけど、心の正しさを持っているピュアな青年がいいとなった時に道枝くんがいいなと、ダメもとでお願いしました。
――幸次は18歳のバックパッカーでジミーが日本を旅していた時に出会う青年です。道枝さんは幸次をどんなキャラクターだと捉えましたか。
道枝:幸次は、演じている自分が言うのもなんですが、本当にかわいらしくて愛くるしいキャラクター。物語の中で主人公のジミーにバトンを渡していくような役なので、そういった立ち位置の役を演じられて良かったです。
幸次は、根っから明るい人なので、結構親しい人といる時の普段の自分を出しながら、明るく元気に一生懸命やろうと思っていたので、それが映像に出ていたらいいですね。
――幸次の生き方に共感できる部分はありましたか。
道枝:「自分探しって何だろう」って台詞があるんです。18歳という若さで、“自分探し”とはなんぞやと考える所がすごいなと思いました。生まれ変わりがあるのかは分からないですけど、自分としての人生は1回。その1回きりの人生を思いっきり楽しみたいって思っている所が、すごく大人だと思いました。僕も人生1回きりなら、全部出し切って悔いのないように生きたいと思っているので、そこは共感できましたね。
「みっちーは、作品との向き合い方が尊敬できる」
――雪深い長野県飯山線で旅するシーンを撮影されていましたが、現場はいかがでしたか?
藤井:みっちーは、台湾ロケがなくて。撮影は3日間くらいでしたけど、雪に囲まれた環境でずっと電車に乗っていたから、大変だったでしょう?
道枝:いや、楽しかったですよ。幸次が雪原に向かって走っていくところとかは、ほぼアドリブで。「フーゥ!!」って叫びながら、はっちゃけて、自由にやらせてもらいました(笑)。
藤井:とにかく寒かったよね。みっちーの靴に雪が浸水して、冷たそうだった。
道枝:雪合戦のシーンで靴に雪が入って。どんどん浸水しましたね(笑)。あと、実際に走っている電車で撮影したので、停車している電車が発車するまでの数分という、時間制限がある中で撮影するのは新鮮でした。
藤井:シーンは長いのにトンネルを通過する時間が短いから大変だったね。その間にみっちーが「お~い、トンネル!」って台詞を言わなくてはいけない(笑)。時間的に台詞を言えるのは2、3回しかチャンスはなくて、逃したらもう1度電車に乗らなきゃいけなかった。
道枝:確かにプレッシャーは、半端なかったです(笑)。監督は、「お~い、トンネル!」の言い方にこだわっていらっしゃって。結構何回もやりましたよね。
藤井:幸次は、トンネルも友達扱いしていて、トンネルすらも楽しめちゃうニュアンスを出したくて。この台詞で面白いやつだなって観客に思って欲しいっていう狙いがあったから。
道枝:そこはコミカルなセリフで、幸次を演じていて1番難しいシーンでした。
藤井:今回ご一緒して、みっちーは、まず作品との向き合い方が尊敬できますし、ピュアで、真面目だと思いました。待機中もじっと静かに待っていて。「趣味とかあるの?」って聞いたら、「ドローンです」って。「こっち側の人間じゃん!」ってスタッフみんな爆上がりでした(笑)。
KADOKAWA
発売日: 2023/02/15