堂本剛(KinKi Kids)が、10月公開の映画「まる」で27年ぶりに映画主演を務める。このたび、2種類のティザービジュアルと特報映像が公開された。
約2年間の監督と企画プロデューサーよる熱烈オファーが実現
堂本が1997年に公開された「金田一少年の事件簿 上海魚人伝説」以来、27年ぶりに映画主演を果たす本作。近年は音楽活動が中心となっていた堂本だが、監督と企画プロデューサーから約2年間の熱烈オファーを受け、「自分が必要とされている役なら」と心を動かされ出演に至った。
堂本が演じるのは、美大卒だがアートで身を立てられず、人気現代美術家のアシスタントをしている男・沢田。独立する気配もなければ、そんな気力さえも失って、言われたことを淡々とこなすことに慣れてしまっている。ある日、通勤途中に事故に遭い、腕のけがが原因で職を失う。部屋に帰ると床にはアリが1匹。そのアリに導かれるように描いた◯(まる)を発端に、日常が◯に浸食され始める奇想天外な物語。
これまで自らストーリーを進めていく役柄の多かった堂本が、不思議な事態に巻き込まれていくキャラクターで、27年ぶりの主演にして新境地を見せる。
監督、脚本を務めるのは、数々のオリジナル脚本で話題作を生み出し、「彼らが本気で編むときは、」(2017年)で「第67回ベルリン国際映画祭」観客賞&審査員特別賞を受賞、「波紋」(2023年)では「第33回日本映画批評家大賞」監督賞を受賞するなど、国内外で高い評価を得る荻上直子。円熟の域に達した荻上監督の、作家としての神髄が凝縮されたともいえるテーマで堂本と初タッグを組む。
デザイナー・大島依提亜が不思議な作品世界を表現
公開されたメインティザービジュアルは、沢田が住む街を背景に撮り下ろした写真を使用。巨大な◯に飲み込まれそうな沢田の上に、「ある日突然、◯が迫ってきた」という言葉が微妙に歪んだ形で添えられている。
さらに、今回はキャラクターVer.も解禁。沢田らしい虚無感のある表情、すぐ後ろには◯が迫ってきている様子。デザインは、A24作品の日本版ビジュアル(「ミッドサマー」「エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス」)や、荻上監督の初期の名作「バーバー吉野」「めがね」「トイレット」などを手掛けるデザイナー・大島依提亜が、グラフィカルで普遍的な◯の形を日常的な実写風景、人物と組み合せることで不思議な作品世界を表現した。
また、特報映像には日常が◯に浸食されはじめ、いつしか◯に囚われ始める沢田の様子が映しだされていく。最後には襲い掛かる奇妙な出来事に対して、「すごっ」とどこか他人事のような沢田の一幕も。いつの間にか見ているこちらの心までぐるぐる回り出すような、不思議な世界観をまとった特報となっている。