三島由紀夫の同名小説を初実写化した「連続ドラマJ 三島由紀夫『命売ります』」(毎週土曜夜9:00-9:54)が、BSジャパンで放送中。
今回、自殺に失敗し、自分の命を売り物にするビジネスを始めた山田羽仁男(はにお)を演じる主演の中村蒼にインタビュー! 難しいテーマに挑む中村に、演技で「死」と向き合うことや撮影現場での裏話などを聞いた。
「生」と「死」は表と裏で意外に近い関係なのかな
――ドラマ主演の話を聞いた時の感想を教えてください。
主演はやりたくてもやれるものではないので、お話を頂いた時はとてもうれしかったです。共演者の方を知った時は、とてもいい作品ができるんじゃないかなと思いました。
「連続ドラマJ枠」は2作品目なので、まだまだ認知されていない枠だと思います。前作も素晴らしいドラマだったので争うわけではないですけど、それ以上の作品になるよう、いいものを作り出したいなと思います!
――BSドラマならではの良さを感じる点はありますか?
BSだからこそ表現できている描写が多くあります。ドラマで見るには新鮮なシーンもあるので、多くの人に見てもらいたいなと思います。僕自身挑戦したことがなかったシーンもあり、初めて演じるキャラクターなので楽しいです。
――原作者の三島由紀夫さんの作品については、どう感じていますか?
なかなか読むのが難しくて、全員が共感するような作品ではないイメージがありました。なので、今回もそういう感じかなと思って原作を読んだのですが、エンターテイメント性が強くていろんな登場人物が出てきて、山あり谷あり目まぐるしく物語が進んでいくので、読みやすかったです。
読んでいて、映像化するに当たりそういうスピード感なども出せたらいいなと感じていました。
――演技で「死」に向き合うことについては、いかがですか?
考えれば考えるほど難しいテーマですよね…。羽仁男は「死にたい」って思っていたけど、実際にいろんな人の死を目撃して、死に対して現実味が増していく中で「生きたい」に変わっていくので、「生」と「死」は表と裏で、意外に近い関係なのかなと思いました。
ドラマでは羽仁男が死ぬことで周りの人がどういう気持ちになるか、ということも描かれています。どうしても自分のことを一番に考えてしまうけど、余裕がなくてもちゃんと冷静になって物事を俯瞰で見ることが大切だなとあらためて感じました。
――羽仁男が「死」を恐れていないのは、自身のこれまでの人生に後悔がないからだと思います。中村さんは26年間を振り返っていかがですか?
自分がこれまで出演した作品を振り返って、演技どうこうより「あの作品をやらなければよかった」という後悔はないですね。
やっぱり全てやってきて良かったなって思います! クランクイン前は本当に「これやっていいのか?」とか「どうしようか」というような不安や迷いはありましたけど、今振り返るとプラスのことしかなかったなって感じます。
これからもっともっと年を重ねて、いろんな人や作品に出合って、いろんなことを学べるのが楽しみなので、中村蒼としては一生懸命で前向きにって感じですね!(笑)
毎週土曜夜9:00-9:54
BSジャパンにて放送中
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