<試写室>「リーガル・ハート」反町隆史が見せる“2つの顔”に、命の重みを痛感
第2話のレビュー!
どうやら私は大きな失態を犯していたようだ…。
先週、本作の第1話を視聴し、意気揚々とレビュー記事を書いた私だったのだが、次から次に降りかかる困難や思わぬ展開に夢中になり、肝心なことに触れていなかった!ヒャー!
いや、正確に言うとあまりにハマり役すぎて、全部を受け入れてしまっていたのかもしれない。
そう!この作品の主演は、反町隆史さんなのだ!
「第1話で触れなさいよ!このスットコドッコイ~」という感じなのだが、第2話を見て村越を演じるのが反町さんでなくてはならない理由のようなものが分かった気がする。
第2話で村越は、破産寸前の老舗温泉旅館・河合楼の再建を引き受ける。第1話であんなに頑張った村越だが、第2話でもとんでもない案件がやってくるのだ!
老舗温泉旅館・河合楼は、10億の負債を抱えて、従業員たちの給料も半年以上未払い。銀行への返済も滞り、民事再生申し立てをする費用も払えない状況だという。
「ちょいちょい~半年はないでしょ~。即効辞めるわ~。ってか、そうとうヤバい旅館なんじゃないのぉ~」と思ってしまうが、建物は趣ある立派な構え、おかみさんもすてき。料理も実においしそうで「なかなか、いい感じじゃ~ん」なのだ。
さらに、この旅館の旧館建物は文化財指定を受けているという。
村越は、今のオーナー夫婦に変わる新しいスポンサーを見つけて事業譲渡する方法を提案。おかみから「心から託したいと思える人に任せたい」という条件が提示され、村越らは、スポンサー探しに奔走する。
さて、この第2話で印象的だったのは、村越の見せる2つの顔だ。
1つは、再建弁護士としてオーナー夫婦と向き合うときの顔。すごく穏やかで優しく、でも「この人なら大丈夫かもしれない!」という強さも感じさせる。
そんな村越の表情を見ていると、深い安心感に包まれるのだ。
んん…この感じ…、どこかで感じたような…。
ハッと浮かんだのは自分の父の顔だった。「待て待て、あの反町さんとお父さん比べちゃいかんでしょ~」という声も聞こえてきそうだが、雲の上の存在である超イケメン反町さんを自分の父と重ねてしまうほどに、反町さん演じる村越からは“圧倒的父親感”が溢れ出ているのだ。
そして2つ目の顔は、他界した大切な娘を思うときの顔だ。いつもは強くたくましい村越なのだが、このときだけ弱さを見せる。悲しいとかつらいとかを表情豊かに演じるのではなく、心にぽっかりと空いてしまった穴の痛みを、ただただ静かに感じる反町さんの表現に、とてつもなくリアリティーを感じた。
命の重み…村越の表情を見て、この作品が訴えかけているものをあらためて痛感した。
さらに、この2つの顔を表と裏として存在させていないところがすごいと思う。“表は熱き再建弁護士で、裏は大切な娘を亡くした父親”なのではなくて、反町さんの演じる村越は地層のようになっているのだ。「反町さんに対して地層はどうなのよ!?せめてショートケーキにして!」状態だが、村越の持つ熱さや強さをどんどん掘っていくと、悲しみや痛みにたどり着く。
この地層のような深みのある表現(地層って…)って、もしかしたら反町さんの新境地なのかもしれない。
私にとって第2話で特にお気に入りの村越は、一番最後の事務所でのシーンに登場する村越だ。すごくかわいいのでぜひご注目を。
どうやら私も村越先生の人柄に魅了されているようだ。
文=お杉