「いや無理!!」──そりゃそうだろうなって(笑)
今回の鳳月さとわ役は、オーディションに合格してつかんだものだ。劇中で箏の演奏があるというのは聞いていたものの、オーディションの時点で箏が並べられ、わずか20分の練習でいきなり弾くことになったという。
田中日奈子:課題は一節だけだったんですが、全然弾けなかったです。ど素人がペンペンしてきただけです(苦笑)。今そのときの音を聴かされたら、恥ずかしくてたまらないですね。
──例えばギターやピアノの経験は?
田中:ありません。吹奏楽部でフルートを吹いていたので、音楽へはすんなり入れたんですが、お箏は部活で触れた金管楽器とは全く別物で、そもそも譜面が読めない(笑)。
──原作で愛たちが頭を「?」にしていたやつですね。
田中:糸譜と言って、縦に漢数字で譜が書いてあるんです。やるからには糸譜で身に付けたかったんですが、馴染みがないからリズムが読み取れない上に、十七絃は譜が多くて難しいんですよ。だから見慣れている五線譜に譜面を書き写して、指番号を振って。悔しいですけど、今回はとにかく弾けるようになることを優先しました。でも、何人かは糸譜で稽古をして、それは本当にすごいと思います。
原作で、さとわちゃんが「さくらさくら」の糸譜を出して、「はい、弾いて」というシーンがあったじゃないですか。愛たちの「いや無理!!」っていう反応は今ならよく分かりますね。「そりゃそうだろうな」って(笑)。それを平然とやらせようとするさとわちゃんは鬼ですよ。素人は絶対ついていけない。舞台でもこのシーンはあって、お箏としか向き合ってこなかった彼女の生い立ちがよく分かる場面でもあるので、短いシーンですが、大事に演じたいと思います。
──箏、覚えてみて楽しいですか?
田中:すっごく楽しいです! お箏もそうですけど、和楽器は堅いというか、敷居の高いイメージがあったので、失礼な言い方になってしまいますが、弾くことがこんなにも楽しい楽器だとは思っていなかったんです。でも、それを壊してくれたのが漫画の「この音とまれ!」で、触れる楽しさを教えてくれたのが今回の舞台ですね。ファンの皆さんも、機会があればぜひ箏に触れてみてほしいです。
2019年8月17日(土)~25日(日) 東京・全労済ホール/スペース・ゼロ
2019年9月7日(土)、8日(日) 福岡・ももちパレス
2019年9月14日(土)、15日(日) 大阪・森ノ宮ピロティホール
<キャスト>
久遠愛:財木琢磨
倉田武蔵:古田一紀
鳳月さとわ:田中日奈子
足立実康:塩田康平
堺通孝:小島ことり
水原光太:上仁樹堺
高岡哲生:小沼将太
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