高橋一生、蒼井優との共演は「仕掛けながら芝居ができてうれしい」
お芝居はキャッチボールと言いますが、僕はジャグリングだと思っている
――この物語はあくまでも哲雄から見た世界というのも面白いですね。
そうなんです。哲雄の一人称で語られていく物語なので。映画の中の園子は、美化されている園子であって…。園子目線で見るとまた違ったものが見えてくると思います。
優ちゃんが「美化されている園子を演じるのが面白い」と言っていましたが、その美化された中に時々見える生々しさも魅力的で。けれどそれも哲雄が見ている園子で…。人間は見ている人によって捉え方が変わっていくのも面白いなとあらためて感じました。
――蒼井優さんとは映画「リリィ・シュシュのすべて」(2001年)と、ドラマ「Dr.倫太郎」(2015年日本テレビ系)で共演されていますが、久々の共演はいかがでした?
実はセリフで会話するのは初めてなんです。実際にお芝居をすると、すごく自然に哲雄と園子で会話できたので、これは優ちゃんとじゃないとできないだろうなと感じました。お芝居はキャッチボールと言いますが、僕はジャグリングだと思っているんです。セリフを待って芝居をするというより、セリフや動きなどいろんなものを同時に投げ合っている感覚というか。そんな同時に投げるボールを優ちゃんはきちんとキャッチしてくれる。そして僕が大暴投しても、しっかりと受け止めてくれるんです。いろんなことを仕掛けながら芝居ができる現場で楽しかったですし、うれしかったです。
――蒼井さんが、髙橋さんは演技のスイッチの入り方が自然ですごいとおっしゃっていましたが…。
それは優ちゃんにも言えます。本番前まで、撮影が終わったら行きたいお店をピックアップして楽しそうにしていて。行きたいお店は200軒ほどあったようです。そして、その画像を見て口を動かしているのがかわいらしかった(笑)。けれど、本番になると自然と園子にスイッチングできるんです。