古厩智之監督に会えて、良かった!
――その古厩監督の演出はいかがでしたか?
本仮屋・飯島「最高でした!」
本仮屋「私はいろんなことを気にして緊張してしまうタイプなのですが、古厩さんは段取りや時間を気にされるそぶりもなく、脚本の一行にこだわって時間を掛けることもたびたびあって。
でも、その時にキャラクターの立ち位置やセリフの発言者を変更することで、場の空気感や流れがすごい変わるんです。その場にいるキャラクターが全員生き生きし始めて、同じシーンでも全然変わるんですよ」
飯島「僕らのことを本当によく見てくださっているんですよね。本番前に台詞が変わることも結構ありましたが、それが苦じゃなく、スッと入ってくるんです。それはその役が伝えたいことを監督が分かっているからなんだろうなって。
僕と監督が二人で一つという言い方はヘンかしれないですけど、きっと監督もキャラクター一人一人になっていたんだと思います」
本仮屋「シーンはどんどんどんどん面白くなるし、演じながら美々子が成長したり、魅力的に膨らんでいることを肌で感じるんです。だから、毎日の撮影がめっちゃ楽しかったですし、古厩さんに会えたことは私にとって大きな転機になったなと感じるほどでした」
――物語の舞台がベーカリーということでパンを作るシーンがたくさん登場しますが、お二人とも手つきがとても自然でした。練習をかなりされたのでは?
本仮屋「(飯島の顔を見て)やった!」
飯島「(笑)。現場に入る前に少し練習させていただいて、現場に入ってからもその場で念入りに練習させてもらいました」
本仮屋「でも、飯島さんは最初からすごいお上手で! 監督やパン店の先生からも大評判で、何であんなに上手だったんですか?」
飯島「分かんないです(笑)」
本仮屋「現場でも『普通にやったらこうなりませんか?』と言われて、『それ感じ悪いよ』って言ったんですよね(笑)。
私はかなり練習しました。やっぱりスポーツと一緒で体で覚えないと、セリフを意識した途端にぐちゃぐちゃになってしまうんですよ。だから、時間がある時はずっと練習してました」