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「○○妻」脚本家×プロデューサー対談(1) ドラマの現場20年間をプレーバック!

2015/03/11 21:10

まもなく最終回を迎える「○○妻」。過去を知った正純(東山紀之)はどんな行動に出るのか。 ひかり(柴咲コウ)が祈り続けている理由は何か。幸せを願う2人のさまざま謎が明らかに
まもなく最終回を迎える「○○妻」。過去を知った正純(東山紀之)はどんな行動に出るのか。 ひかり(柴咲コウ)が祈り続けている理由は何か。幸せを願う2人のさまざま謎が明らかに (C)NTV

○○妻」(日本テレビ系)や「家政婦のミタ」('11年日本テレビ系)で、個性的な女性主人公像を描いてきた脚本家・遊川和彦氏とプロデューサー・大平太氏がドラマの現場20年を振り返りや未来について、そしてまもなく最終回を迎える「○○妻」の見どころを語ってくれた。

■90年代は花形プロデューサーがいてドラマが憧れの仕事(遊川)

□当時はキャスティング第一。視聴率一桁は考えられない(大平)

――2人の出会いは'99年。前年「GTO」('98年フジテレビ系)を大ヒットに導いた大物脚本家・遊川に対して、大平はディレクターからプロデューサーになったばかりだった。

大平:遊川さんは怖い印象でしたね。あまりしゃべらないから。

遊川:どんな男か品定めしていた。どのくらい歯ごたえがあるか(笑)。

大平:遊川さんが脚本を書いてくれなくてショックでしたよ…。

遊川:書くのに疲れていた時期だからね。それに新しい才能を発掘しなければいけないですし。

――遊川は「平成夫婦茶碗~ドケチの花道~」('00年日本テレビ系)に企画プロデュースの立場で参加。連続テレビ小説「ごちそうさん」('13~'14年NHK総合ほか)などの脚本家・森下佳子を見いだす。

大平:あんなに打ち合わせの回数の多かったドラマはないですよね。

遊川:関係者への説明とか、たくさんのハードルがあって、つらい状況を闘って戦友になれたね。

大平:僕は役者さんや芸能事務所との接し方とか、作家さんへの直し方とか遊川さんから学びました。

遊川:大平さん、本当にドラマが好きだし、吸収する力がすごいんですよ。「あのドラマのシーンどう?あの役者はどう?」と共有して話せるようになりましたね。

大平:遊川さんはアンテナの張り方がすごいから、僕も全部見ます。

遊川:まあ、2人はドラマ同好会みたいなもんですね(笑)。

――今から20年前の'95年は、「愛していると言ってくれ」(TBS系)、「星の金貨」(日本テレビ系)などがヒット。遊川も「人生は上々だ」(TBS系)を手掛けていた。

遊川:当時はフジとTBSが全盛。花形プロデューサーがいて、「新しいものをどう作るか?」を常に意識していました。バブルがはじけて世紀末が近づく中で、「能天気なドラマを作っても仕方ない」という雰囲気もありましたね。

大平:キャスティング至上主義というか、役者さんに合わせた物語を考える。でも「こうきたか」と一視聴者として僕も楽しめました。連続ドラマが初回一桁なんて考えられない時代でしたし。

遊川:ドラマ作りが若者にとって憧れの仕事だったからね。

□「オヤジぃ。」がきっかけで「家政婦のミタ」が生まれた(大平)

■「王様のレストラン」は傑作。最終回はジワッときた…(遊川)

――今やドラマ業界では有名人の2人だが、それぞれ大きな影響を受けた人物がいるという。また、好きな作品を尋ねると、やや意外なタイトルと理由が挙がった。

遊川:山田太一さんのドラマが好きで「こういうものは絶対書けない」と思っていました。だから「女王の教室」('05年日本テレビ系)で向田邦子賞を取ったとき、山田さんから寄って来てくれたので、「怒られる!?」と思ったら「おめでとうございます」と言われて拍子抜け(笑)。「自分の書くものはこういうものだ」というのも分かったので、ある種きっかけになった作品だと思います。

大平:僕は大多亮さんですね。ある人の結婚式で名刺をいただいて、運気を上げる意味でパスカードに入れています(笑)。放送当時は忙しくて見れてなかった「東京ラブストーリー」('91年フジテレビ系)を見てビックリ。お会いしたら、日本テレビにはいないプロデューサー然とした方だったので、こういうPになりたいと思いました。

遊川:岡田惠和さんとはたまに話しますね。「何でそんなに好かれるの? 仕事が来るの?」って(笑)。「〇〇妻」を見て「面白かった」とメールを頂きました。

――ミステリアスなヒロインなど独特な作風が目立つ2人に、好きなドラマを3本ずつ選んでもらった。

遊川:仕事をする前に影響を受けたのは「時間ですよ」('70年TBS系)。次は初めて単発で脚本を書いた「うちの子にかぎって…」('84年TBS系)。傑作だと思ったのは「王様のレストラン」('95年フジテレビ系)。梶原善さんが号泣する最終回のシーンはジワッときたね。

大平:僕はベタですが「北の国から」('81年ほかフジテレビ系)。DVDを富良野で見るのが至極の瞬間なんですよ(笑)。次は火曜サスペンス劇場の1本で「受験地獄」('82年日本テレビ系)。昨年「殺人偏差値70」というタイトルでリメークしたくらい好きです。もう1本は「オヤジぃ。」('00年TBS系)。これを見て遊川さんに「ホームドラマやりましょう」とお願いしたのが「家政婦のミタ」なんです。

Profile●ゆかわ・かずひこ='87年に脚本家に。「ADブギ」('91年TBS系)、「魔女の条件」('99年TBS系)、連続テレビ小説「純と愛」('12年NHK総合ほか)などを担当

Profile●おおひら・ふとし='90年に日本テレビ入社。「家なき子」('94~'95年)などでディレクターを務め、「平成夫婦茶碗―」('00年)からプロデューサーとなる。

3月18日(水)更新の(2)へ続く

この記事はWEBザテレビジョン編集部が制作しています。

「○○妻」
毎週水曜 夜10:00-11:00
日本テレビ系

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  • まもなく最終回を迎える「○○妻」。過去を知った正純(東山紀之)はどんな行動に出るのか。 ひかり(柴咲コウ)が祈り続けている理由は何か。幸せを願う2人のさまざま謎が明らかに
  • 【写真を見る】「家政婦のミタ」で瞬間最高視聴率42・2%をたたき出した(写真左から)脚本家・遊川和彦氏と日本テレビ・大平太プロデューサー
  • ひかりは、勤める病院の入院患者に過去の事件を知られてしまう
  • 千春(黒木瞳)は、ひかりを責める患者を一蹴する
  • ひかりは自分を守ってくれた千春に対し、素直に感謝の気持ちを伝える
  • 「ごくせん」などの善良&熱血教師とは真逆の鬼教師・阿久津真矢 (天海祐希)が話題になった「女王の教室」。Hulu(http://www.hulu.jp/)、DVD-BOX(バップ 1万9656円)で視聴できる
  • 9年連続で司法試験に落ち、ボロボロになりながら突き進む生き方が独身アラサーの共感を誘った「曲げられない女」。Hulu(http://www.hulu.jp/)、DVD-BOX(バップ 1万8576円)で視聴できる
  • リバウンドを繰り返す大場信子(相武紗季)と今井太一(速水もこみち)の姿が強烈だった「リバウンド」。Hulu(http://www.hulu.jp/)、DVD-BOX(バップ 1万9656円)で視聴できる
  • 無表情だが完璧な家事能力を持つ家政婦・ 三田灯(松嶋菜々子)の姿を描いた「家政婦のミタ」。Hulu(http://www.hulu.jp/)、DVD-BOX(バップ 1万9656円)で視聴できる

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○○妻

出演者:柴咲コウ 黒木瞳 城田優 蓮佛美沙子 奥貫薫 渡辺真起子 岩本多代 平泉成 東山紀之 

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