ひそねとまそたんのあらすじ
“マツリゴト”が始まった。かつてDパイたちが訓練した無人島“ミズチ岩”となっていた超大型変態飛翔生体“ミタツ様”が目ざめ、次なる臥所に移動を始めた。発達した積乱雲に身を隠し、ゆっくりと飛び立つミタツ様。激しい風圧、暗雲たちこめる暴風雨の中、懸命にミタツ様を誘導する4機のOTF。「甘粕ひそねは、今、何をしている?」。日本国の命運がかかったミッションの中、隊員たちはその場にいない、ひそねを思うのだった。
上層部の懸念は的中した。恋愛感情が、OTFとDパイの関係に重大な亀裂をいれてしまった。“吻合”によりまそたんに乗れなくなったひそねは、まだ自分の気持ちに気づけずにいた。ひそねの姿を見た名緒は、自分にできることを見つめなおす。ノーマに乗れなくなった絵瑠は、再び夢を追いかけ始める。小此木、そして棗、“マツリゴト”を目前に揺れ動く岐阜基地の面々。来たるべきその日に向け、人それぞれに新たな動きが始まっていた。
“マツリゴト”を想定した三日三晩に及ぶ訓練の後、岐阜基地に現れたのは“巫女”たちだった。そして、“神祇官”に所属していることが明かされた小此木。巫女のひとりである棗は、小此木への好意を隠そうとせず、小此木と親しいひそねに対して執拗につきまとう。一方で若い巫女たちにうかれる飛実団のパイロットたち。絵瑠の気持ちにも動きが見え始めていた。マツリゴトに向け訓練が過酷さを増す中、貞と飯干は“吻合”を案じていた……。
ついに任務の全容がDパイたちに通達された。陸・海・空、国家の総力をあげて行われる“マツリゴト”。それは74年ごとに目覚める超大型変態飛翔生体“ミタツ様”を、次の眠りにつく場所“臥所”へと導くという一大神事だった。超低速で移動するミタツ様を誘導するため、三日三晩空を飛び続けなければならないDパイとOTFたち。飯干からジョア売りの貞の正体が告げられると、来たるべき日に備え、ひそねたちの訓練は本格化し始める。