セスタス -The Roman Fighter-のあらすじ
【最終回】起死回生の一撃でフェリックスを倒したセスタス。敗れたフェリックスは「駆け登れ、テッペンに!」と笑い、去って行った。本戦の舞台・シチリアでは、セスタスとの再戦に燃えるエムデン、そしてあのルスカとも再会。ルスカは、優勝など無理、出場を辞退すべきとセスタスに迫るが、セスタスは拒否する。「この拳はとっくに血まみれさ。もう突き進むしかないんだ!」。それぞれの思いを胸に、皇帝ネロ主催の闘技大会が幕を開ける。
接近戦で壁に追い詰められたセスタス。逃げ場がない上に、フェリックスの猛打を浴びて倒れた際に運悪く足を負傷していた。「退路がないなら…ここで迎え撃つ!」と、踏ん張りが利かない中、ギリギリの状況でフェリックスの暴風のような連打をかわし、反撃の機会を伺うセスタス。「どんなに劣勢でも、打つ手がある限り、諦めない、絶対に!」。その時、フェリックスの攻撃に変化が現れた。そしてセスタスに千載一遇の勝機が訪れる。
闘技大会の出場を懸けた決勝戦が始まった。セスタスの相手は「赤き暴風」の異名をもつ職業拳闘士のフェリックス。単純な大振りのように見えて鋭い拳を繰り出し、「お前は俺にとっちゃカモなんだよ」と余裕のフェリックスは、狭い闘技場での闘い方を熟知していた。集中して相手の攻撃を見切ろうとするセスタスだが、次々に被弾してダメージを受ける。フェリックスはセスタスの変化を見逃さず、「赤い暴風」の真価を発揮し始める。
予選第1戦を勝利しても、理由の分からないいら立ちをみせるセスタスは、仲間の拳奴たちとも衝突する。鍛錬の成果は実感できるのだが何かが違う…そんなセスタスにザファルは「眼を開け」と告げる。答えは自分自身で発見し身に付けろというのだ。無心で鍛錬に臨み己と向き合った末、セスタスは求めていた「感覚」をつかむ。だが次の対戦相手に決まったのは、これまでの相手とは全く異質の拳闘スタイルを持つ、最強の職業拳闘士だった。
決定力不足を補うため、ザファルが課したのは毎日ひたすらツルハシで地をうがつ鍛錬だった。仲間たちは音を上げるが、セスタスはザファルの言葉を唯一の光明とし、地をうがち続ける。そこへ皇帝主催の闘技大会の開催を告げる使者が訪れた。セスタスの参加はネロ皇帝の勅命だという。俺はあの人から逃げられないのか…言いしれぬ不安を抱えつつ、自由を得るため予選に挑むセスタス。だが会場は朽ちかけた檻の中のような木造闘技場だった。