北海道の芸能事務所・クリエイティブオフィスキューの会長で、「水曜どうでしょう」(HTB)の“ミスター”としても知られる鈴井貴之が作・演出を手掛ける「Takayuki Suzui Project OOPARTS Vol.6『D-river』」が、2022年2月5日(土)からスタートする。今や所属タレントの大泉洋、安田顕ら「TEAM NACS」が全国的な人気を博し、自身も「水曜どうでしょう」で広く知られる存在となった鈴井。そんな鈴井に“北海道から東京に進出する”ということについて話を聞いた。
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――OOPARTSは、かつて鈴井さんが事務所設立の頃に“劇団”として結成し、それが解散したのが1998年。その後、鈴井さんの“ソロプロジェクト”として2010年に復活し、その第6弾として「D-river」が上演されるのが、くしくも復活から12年後の2022年となりました。この12年で鈴井さんのOOPARTSに対するモチベーションや意義などは変わってきましたか?
広い意味では変わってないです。バンクシーみたいにOOPART名義でいろんな壁とかに落書きしてやろうとか思いますしね(笑)。そういうのも含めて、(“演劇”の枠にとらわれないプロジェクトとして)何をやるかはその時その時ですけど、こと演劇に関しては良い意味で気負いがなくなりました。
今は原点に戻って、いい年のおっさんたちが馬鹿馬鹿しいことをやるっていう、この作品にどれだけの熱量をつぎ込めるかに懸けているという感じですかね。
劇団のOOPARTSの結成当時は、「TEAM NACS」がやってくれたような、東京や全国制覇を「俺たちがやるんだ!」って、“スーパー劇団”をつくろうと思って結成したんですよ。
札幌で劇団をやっている活きのいい人たちに声を掛けて、個々でチンタラやっててもしょうがないから、札幌として1つの劇団をつくってまとめ上げようって動きをしたんですけど、意見が合わず、半ばけんか別れのようになってしまって(笑)。
ソロプロジェクトとして2010年に再結成した時は、演劇だけども演劇らしくないようなことをやりたくて、会場もライブハウスのZeppを選んだり、違った意味での気負いがあったんですよね。
でも今は「これでみんなメジャーになるんだ!」とか、「社会を動かそう!」とかそういう気負いはなくて、この作品にどれだけ熱を詰め込めるか、本当に面白いものをどれだけこのメンツで作れるのかっていうことにトライしよう、そういう熱量があります。
二十数年掛かってやっと本来やるべきことにたどり着いたというか、邪念を払えたのかなって思います(笑)。
2022年2月5日(土)~27日(日)
東京公演(サンシャイン劇場):2022年2月5日(土)~13日(日)
大阪公演(COOL JAPAN PARK OSAKA TTホール):2022年2月18日(金)~20日(日)
札幌公演(道新ホール):2022年2月25日(金)~27日(日)
【URL】https://ooparts-hokkaido.net