ロックバンド[Alexandros]のボーカル&ギター・川上洋平が初のエッセイ「余拍」(宝島社)を発売。その刊行記念イベントが10月2日に都内で行われ、イベント後、川上が取材に応じた。
同書にはシリアで過ごした幼少期のことや、日本に帰国してからの学生時代、バンドや音楽への思いなどがつづられている。
「むしろ書きすぎて削られちゃったぐらい(笑)」
光沢のあるグレーのシャツに黒のパンツというラフなファッションに身を包んで報道陣の前に登場した川上。初のエッセイ出版に「新鮮すぎて頭の中が真っ白なんですけど、すごく楽しいです」と笑顔を見せた。出版に至った経緯を尋ねられると、「(出版社から)“やらないですか?”、“はい”って。それだけなんです(笑)。だから、何を書くかとかまったく決まらないまま、やりますかってことで。でも何か書きたいなって気持ちはあったので」と振り返った。
楽曲制作とは勝手が違ったようだが「思ったよりスムーズに書けた」と言い、「むしろ書きすぎちゃって削られちゃったぐらい(笑)。(どうしても入れたかった部分も)結構ありましたけど、あ、これ削られちゃうんだ…面白くなかったのかな、とか(笑)」と、ユーモアを交えて語った。
「とにかく笑顔で。嫌われないようにしました(笑)」
この取材の前に、購入者への「お渡し会」イベントを行った川上。ライブと違った距離感を味わい「いつもライブではカッコつけることができるんですけど、これだけ近いとカッコつけるわけにもいかないんで、とにかく笑顔で。嫌われないようにしました(笑)」と笑いを誘った。
「音に乗らない言葉をつづって、それが皆さんにどう伝わるかなと思ったんですけど、たくさんの人に読んでいただいているということでうれしいです」と手応えを感じているようで、「川上洋平、[Alexandros]をなんとなく知ってる方にぜひ、まず知ってほしい本だと思います。とある一人の人間のなんとなくの人生がつづられているので、例えばカフェとか行って隣の人の会話を盗み聞きするような、こんな人もいるんだ、そんな感じの雰囲気が伝わればいいなと思います」と話した。